吉川英治賞発表と会見 文学賞・文学新人賞・文庫賞・文化賞の四賞|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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受賞
2017年3月17日

吉川英治賞発表と会見
文学賞・文学新人賞・文庫賞・文化賞の四賞

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左から宮内悠介氏、藤田宜永氏、本城雅人氏
3月3日、東京都内で吉川英治賞の各賞の選考会が行われ授賞者が発表された。授賞は第51回吉川英治文学賞が藤田宜永氏の『大雪物語』(講談社)、第2回吉川英治文庫賞が今野敏氏の「隠蔽捜査」シリーズ、第38回吉川英治文学新人賞が本城雅人氏の『ミッドナイト・ジャーナル』(講談社)と宮内悠介氏の『彼女がエスパーだったころ』(講談社)、第51回吉川英治文化賞は臼井二美男氏〈スポーツ用義足の第一人者として障害者に「走る喜び」を提供する〉、中本忠子氏〈四十年近く、家庭環境に恵まれない子どもたちに食事と団らんの場を提供する〉、藤井製桶所〈大桶づくりを続ける日本唯一の町工場は、日本の伝統的な味をも守る〉。
大雪物語(藤田 宜永)講談社
大雪物語
藤田 宜永
講談社
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会場には吉川英治文学賞と新人賞の授賞者による会見が行われ、藤田氏は「受賞は本当に青天の霹靂でした。当然嬉しいのですが、その前にやはりびっくりしたというのが正直な感想です。この小説は2014年の2月の中旬頃、災害救助法が適用された大雪がきっかけでした。僕は軽井沢に住んでいて、それほど焦ったわけではないですが、不安を抱えながら五日間ほど自宅に閉じ込められていましたが、小説家はいい加減なもので、この閉じ込めは小説になるのではないかと思って始めたものでした。はじめは気楽に楽しく書いていたのですが、立ち往生だとか閉じ込めというのは主人公があまり動けないので、趣向をいろいろ変えなくてはいけないと取材に行ったりもしました。

この小説が観光されたのは去年の11月の終わりでしたが、その年がデビューして30年めでした。どんな賞だって嬉しいのだけど、これはまたちょっと違う思いがしました。この賞はキャリアのある人が候補となるものですし、ちょうど30年めの本でこんな大きな賞をいただいたことで、僕もやってきた30年を振り返って色んな思い出がよみがえって、これも一つの節目だと思いました」と述べた。
本城氏は「欲しいと思っていた賞を取れて大変感謝しています。デビューして8年、いままで賞とは無縁で、去年も候補になりましたが、その時はこれまでの担当編集者の方たちとワイワイやりながら、残念でしたという結果になった時に、自分はこのまま負け慣れしていくんだなとという気がすごくしました。それではいつまで経っても賞なんか取れない、負けた時に悔しいという気持ちを自分に植え付けるにはどうしたらいいかと思って、今回は待ち会もせず、この本の担当編集者だけと待っていたら受賞しましたと言われたので、自分としてもびっくりしています。これは担当の方から新聞記者の話はもう二度と書けないぐらいこの一冊に書いて欲しいと言われて書いた小説なので、それで欲しかった賞をいただけてこれ以上言うことはない気持ちです」と歓びを語った。
宮内氏は「ただただもう恐れ入るばかりで、本当にありがとうございます。賞をいただけたのはまったく青天の霹靂と言いますか、候補作の一覧を拝見した時に半ば心が折れたというか、そこに自分の名前を入れていただけただけで光栄という感じでした。まさかの授賞の連絡をいただいて、ではどんな作品を書いたのだっけと、自分の本を少し読み返してみましたが、それこそデビューのずっと前から考えていたことなどが多く含まれていました。それがこのように思わぬかたちで評価を得て、ある種報われたような思いがしました」と話した。
2017年3月17日 新聞掲載(第3181号)
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