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漢字点心
2017年3月24日

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「独擅場(どくせんじょう)」の「擅」で、「したいようにする」という意味。訓読みでは「ほしいまま」と読み、「会社の人事を擅にする」のように使われる。もっとも、現在では「欲しいまま」と書き表す方が自然。とはいえ、いささか長すぎるこの訓読み、捨てきれない魅力を持っていることも確かである。

実は、「ほしいまま」と訓読みする漢字は、「擅」だけではない。「放恣(ほうし)」のように使う「恣」もそうだ。「放肆(ほうし)」も同じ意味なので、「肆」も「ほしいまま」と訓読みできる。似た意味の熟語に「放縦(ほうしょう)」があって、「縦」も「ほしいまま」と訓読みされることがある。漢和辞典の音訓索引では、ほかにも、「淫」「侈」「惕」などなど、たくさんの漢字が並んでいる。

漢字の世界には、かくも「やりたい放題」が多い、ということか。ズラリと並んだこれらの漢字を眺めていると、困惑と同時に、痛快な気もしてくるのである。
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2017年3月24日 新聞掲載(第3182号)
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