第47回 高見順賞 贈呈式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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受賞
2017年3月31日

第47回 高見順賞 贈呈式開催

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3月17日、東京都内で第47回高見順賞の贈呈式が行われ、斎藤恵美子氏の『空閑風景』(思潮社)に賞が贈られた。式では吉増剛造氏による開会の挨拶と賞の贈呈をはじめ、授賞式恒例の高見順とゆかりのあるゲストによるスピーチ――今回は日本近代文学館理事長の坂上弘氏による「高見順と日本近代文学館」。杉本真維子氏による受賞詩集の批評も兼ねた祝辞などがあり、新任の選考委員がすることが慣例となっている選考経過報告では、伊藤比呂美氏が「本選では六つの詩集が提示されてみんなで選考したのですが、こういうのを初めてやった私にはジェットコースターに乗っているような感じでした。誰かがある詩集を推していると思ったら、誰かが突然違う詩集を推し出したりして、ひゅうっと変わっていってどこへ行くのだろうと自分でも分からなくなったところで、じゃあ決を採りましょうということで三冊の詩集が残りました。それが齋藤恵美子さんと冨岡悦子さんの『ベルリン詩篇』(思潮社)とジェフリー・アングルスさんの『わたしの日付変更線』(思潮社)でした。それからまた大変な激論がありまして、最終的に斎藤さんに決まったわけです。私は選評ではコミュニケーションが出来てないとか、分からないとかいろいろディスっているんですけど、さっきからずっと斎藤さんと話をしていて、分からなくても詩なんだというところをいま少しずつ学習しつつ精進しております。斎藤さんおめでとうございました」と話した。
空閑風景(斎藤 恵美子)思潮社
空閑風景
斎藤 恵美子
思潮社
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 授賞者挨拶で斎藤氏は「正直に申し上げますと、自分の詩について何かを語ることが大変に苦手で、出来ることなら作品だけを読んでいただきたいという気持ちが強くあります。幸いに先ほど杉本さんから作者以上に深く鋭いご批評をいただいたので、付け加えることがかえってはばかられるようですけれども、この詩集を書いていた時、詩を書きたいという衝動は自分でも手に負えないぐらい激しいものでした。いま全力で書かなければもう明日はないとでもいうような切迫感、世界の期限というよりは何か自らの存在の期限が迫っているかのような、書いても書いても目の前に巨大な締め切りが迫ってくるかのような、そんな言いようのない切迫感を感じながら詩を書いておりました。この詩集には父をはじめ大切な死者を思いながら書き綴った詩が多くあります。死者というのは誰かの心の中に生きる者たちのことですが、彼らへの私自身の思いにもまたあらがえない期限があるのではないか、そのような気がしておりました。悲しみはなくならない、けれども悲しみの質が変化してしまうような気がしたんです。そのような状態で書いた詩の中に一行でもこの世界のリアリティと拮抗するような言葉があることをただ願うばかりですが、それは作者自身が判断することではありません。書き終えた詩集からは静かに身を引いて、これからも地道に詩を書いてまいりたいと思います。本当にどうもありがとうございました」と挨拶した。

この記事の中でご紹介した本
空閑風景/思潮社
空閑風景
著 者:斎藤 恵美子
出版社:思潮社
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年3月31日 新聞掲載(第3183号)
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