田原総一朗の取材ノート「籠池氏 証人喚問」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2017年3月31日

籠池氏 証人喚問

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三月二三日に、参議院と衆議院で籠池泰典氏の証人喚問が行なわれた。野党はかねてから籠池氏の国会への参考人招致を求めていたが、自民党側は固く拒みつづけていた。ところが、その自民党が、参考人招致よりもはるかに強烈な証人喚問を決めたのである。

民進党をはじめ、野党は驚いている。自民党の議員たちも驚いている。どうも証人喚問を決めたのは、安倍晋三首相だったようだ。安倍首相としては、ウソをいえば偽証罪に問われる証人喚問で、森友学園問題に決着をつけようと考えたのだろう。

だが、参議院、衆議院の証人喚問は、まるで籠池氏のワンマンショウであった。籠池氏は、この機会を待ちかねていたように、いささかの躊躇もためらいもなく発言しつづけた。

自民党の議員たちは、昭恵夫人による一〇〇万円の寄付が、いかにデタラメであり、そもそも籠池という人物がいかに信用できないかをきめつけようとしたが、そのことで逆に、一〇〇万円寄付の光景を具体化させ、その籠池氏の小学校設立を認可した大阪府、そして国有地の払い下げ価格を八分の一以下にした近畿財務局の責任が問われることになった。

そもそも、安倍首相が国会で「国有地払い下げや認可に私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」といい切り、首相も昭恵夫人も具体的なかかわりがないと強調したことが、問題をこじらせる原因になったのだ。

証人喚問で、昭恵夫人付の政府職員が籠池氏に送ったファクスが問題となった。籠池氏によると、国有地の買い上げ条件の緩和について昭恵夫人に電話で頼もうとしたのだが、留守番電話だったので、そのことをメッセージとして残した。そしたら、夫人付職員から、財務省本省などに問い合わせた、とのファクスが届いたというのだ。

安倍首相は、夫人付の職員が勝手に動いただけで、夫人は全くかかわっていなかった、と語気強く答えたが、夫人付の職員が、昭恵氏の了解もなく一学校法人の要望を官庁に取りつぐものだろうか。こうなると、どうしても昭恵夫人自身の国会での証言が求められる。(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)

2017年3月31日 新聞掲載(第3183号)
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