全てが学び。楽しく読んで。 〈学習誌の原点回帰〉『小学8年生』! 編集長・齋藤慎氏に聞く|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年4月25日

全てが学び。楽しく読んで。
〈学習誌の原点回帰〉『小学8年生』!
編集長・齋藤慎氏に聞く

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四月二十七日、『小学8年生』二号が発売となる。
齋藤 慎氏
 「読者の皆さんごめんなさい。前回の予告はウソでした」と齋藤慎編集長、突然の謝罪。なんと二号は、「予告よりも、パワーアップしています!」

発売に先駆けて、編集長に『小学8年生』について、また二号の読みどころなども伺った。

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二月十五日発売の一号は、発売から数日で品薄状態に。読者からの反響も上々で、特に、藤波俊彦氏の〈まんがで読む人物伝〉は品行方正な偉人伝ではなく、少し過激で規格外な表現でドナルド・トランプ大統領の半生を伝え、子どもたちの心をとらえた。連動して米大統領制の仕組みや各国大統領と首脳も紹介した。

「二号でも藤波さんに黒船来航を描いてもらっています。ペリーの側から描く黒船来航は、珍しいのではないかな」
合せて、ペリーと同時代に生きた女性実業家「広岡浅子」伝を掲載。「歴史の勉強ということではなく、まずは面白がって読んでくれればいい。別の機会に、ニュースや本などを見て、「これ知ってる、『小学8年生』で読んだ!」と思ってもらえることを狙っています。僕たちは〈潜在学習〉を大事に考えています。漠然と経験していたことが、ふとしたきっかけで花開き、より強い興味関心となる。そういう可能性の入口をたくさん用意して、子どもたちの潜在的な力を蓄える手伝いができるなら、うれしいです」

一号では「北方領土」、二号は「教育勅語」。三号では「戦争」という、難しいテーマも取り上げていく。

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『小学8年生』第2号4月27日発売・907円
学習誌『小学五年生』『小学六年生』の創刊は、小学館創業の一九二二(大正十一)年に遡る。その後、学年別に六誌を発行してきたが、一九二五年創刊の『小学二年生』が二〇一六年末で休刊となり、その後は、『小学一年生』のみとなるはずだった。

齋藤氏は今年で入社二十三年目。その多くを学年誌の編集部で過ごしてきた。『小学二年生』が休刊へ向う空気の中、このまま『小学一年生』だけになっていいのか、学年誌の伝統を繋がなくていいのか、という葛藤と使命を感じていたと語る。

昨夏、『小学二年生』増刊号として、『小学8年生』を刊行した。タイトルに「小学○年生」のスタイルを残したかった。はじめに「小学∞年生」と無限大を入れることを考えたが、読み方が難しい。そのうちに、「∞」を縦にして「8」にしデジタル数字にすると、0~9の数字が表示されることを発見。〈全学年対応雑誌〉を掲げた。「夏の増刊号では何も言われなかったのに、いざ新年度から出そうとなったら、タイトルがおかしすぎる、と社内中から批判を食らいました(笑)」。九〇年の歴史は重い。

「過去の学年誌は、学年ごとの学習を手助けする〈お勉強〉コンテンツが中心でした。例えば、読み物や算数の文章題のような、学習に直結した内容でした。

『小学8年生』が目指すのは〈学習誌の原点回帰〉です。とはいっても学年別の「お勉強」を記事にするわけではありません。身近な社会や生活の全てを、学びととらえて、子どもたちに楽しく伝えていきたいと考えています。

子どもを取り巻く環境は大きく変わっています。でも子どもの好奇心や、興味があることへの集中力は、いつの時代も変わらないものです。低学年でも興味のある本ならば、食い入るようにして読むんですよね。そういう子どもたちの思いを受け止める雑誌でありたいと思っています。言葉はかみ砕いて分かりやすく、でもおもねらず。情報に溢れ娯楽に溢れる社会だからこそ丁寧に吟味して、子どもと同じ目線で僕らも楽しみながら作りたい。対象年齢は実はほとんど気にしていません。面白いものを作るから、ついてこい! って感じかな(笑)」

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太陽系&探査機ポスター
探査機がどこで何をしているのか、一目でわかるビッグサイズ
二号の見どころを伺った。「〈太陽系&探査機ポスター〉は、かなりカッコイイ仕上がりです。なんと一号の学習ポスターの二倍サイズ! B4サイズでは太陽系が入りきらなかったからです。「はやぶさ2」「あかつき」、その他各国の探査機が、今どのあたりでどんな探査をしているのかが一目で分かります。紙面内での連動企画は、地球外生命体についてです」

読者の大きな楽しみの一つ、付録は〈消しゴムはんこ入門キット〉。一貫した付録のコンセプトは、「ひと手間」だという。「手を動かして作らなければ使えない。動かさないと活用できないものです。三号は顕微鏡を予定しています。使い方次第で世界が広がるし、正解は一つじゃない。そんな付録を今後も考えます」

消しゴムはんこ作成には、齋藤氏も没頭してしまったとか。付録をきっかけに、二号でははんこ七〇〇〇年の歴史からグーテンベルグの印刷機まで大研究!

「ほかには〈かけ算九九マスター表〉と、五の段以上のかけ算を指で行う〈マジックハンドかけ算表〉。後者は実生活に役立つか分りませんが(笑)、九九が二倍楽しくなる不思議なかけ算法です。連動して二ケタのかけ算を簡単に行う方法も紹介します。マスターすると、四ケタのかけ算も簡単になりますよ」

クッキングはゼリーとグミ。東京オリンピックの種目にも決まったボルダリングの、伊藤ふたば選手のインタビューも。「伊藤選手には、表紙ロゴに登ってもらいました」。細やかな遊び心がニクイ。

「いろいろな人の〈声〉を、子どもたちに伝えていきたいんです。僕ら大人が頭で作った言葉を押しつけたり、先入観で情報を操作しないように。一号では黒板アートに燃える高校生たち、パティシエを目指す専門学校生、現役の消防士や校長先生などに話を聞きましたが、生の声は響きますよね」

齋藤氏の声からは、雑誌を作る楽しさが響いてきた。「楽しいですよ。雑誌の魅力とは思わぬ面白いものに出合えるワクワク感。様々なものが雑多に詰まる楽しさを失わないように、僕らも楽しみながら、読者のみなさんに届けていきたいです」 (おわり)

※二号の詳しい内容は、『小学8年生』HPで。
2017年4月21日 新聞掲載(第3186号)
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