田原総一朗の取材ノート「二回生議員による不祥事」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

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田原総一朗の取材ノート
2017年5月2日

二回生議員による不祥事

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朝日新聞から、「このところ、自民党の当選二回の衆院議員による不祥事、つまりスキャンダルが相次いでいる。これはなぜなのか」という取材を受けた。

たしかに、武藤貴也議員が「金銭トラブル」で、二〇一五年八月に自民党を離党し、宮崎謙介議員が「育休を取る考え」を表明した後に不倫が発覚して、二〇一六年二月に、議員辞職をしている。また、務台俊介議員は、被災地を視察したとき、長靴を持参せずに、政府職員におんぶされて、後で「長靴業界がもうかった」と発言して、二〇一七年三月に内閣府政務官兼復興政務官を辞任した。そして中川俊直議員だ。週刊誌が、「不倫相手とハワイでウェディング写真」と報道して、二〇一七年四月に経済産業政務官を辞任し、自民党を離党した。

どう考えても、気がゆるんでいる。たるんでいるとしか感じられない。

一つには、第二次安倍政権になって、衆院選を二回、参院選を二回制しているが、いずれも大勝している。落選する危険性を感じなくて来てしまっている。

だが、気のゆるみやたるみが続いているのは二回生議員にかぎったことではない。

大事な問題になると、答弁を官僚にゆだねている金田勝年法相、森友学園の訴訟関与を一切否定して、翌日に記憶違いだと訂正した稲田朋美防衛相。原発事故の自主避難を「本人の責任」だと表現して、そのことを追究した記者を罵倒した、今村雅弘復興相。「一番のがんは文化学芸員」だと発言して、訂正せざるを得なかった、山本幸三地方創生相。沖縄県うるま市長選をめぐって、フェイスブックで野党候補の公約を「詐欺行為にも等しい」と書いて、大反発を招いた、古屋圭司選対委員長。

かつて、政治ジャーナリストたちは、野党になど全く関心を持たなかった。自民党の主流派と反主流、そして非主流派の論争、対決が面白かったからである。また、その論争、対決によって社会のあり方が変った。首相が代るのも、野党の攻撃によってではなく、反主流派との戦いに敗れたためであった。だから自民党内では、自由に首相や幹事長などの批判が出来、緊張感もあった。だが、選挙制度が変ったせいもあってか、自民党内で論争というものが、全くなくなり、首相批判など全く出ず、そのために緊張感も厳しさもなくなってしまった。私は保守としての劣化だと捉えている。
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2017年4月28日 新聞掲載(第3187号)
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