夢の叶え方を知っていますか? / 森 博嗣(朝日新聞出版)森 博嗣著 『夢の叶え方を知っていますか?』  神戸女学院大学 川村 優|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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【書評キャンパス】大学生がススメる本
2017年5月1日

森 博嗣著 『夢の叶え方を知っていますか?』 
神戸女学院大学 川村 優

夢の叶え方を知っていますか?
著 者:森 博嗣
出版社:朝日新聞出版
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本書は夢に向かって挑戦中の著者が夢というものの考え方を問いただし、読者に夢を実現させることの楽しさに気付いてもらうために書かれたものだ。

私自身は夢を持っておらず、この本を手に取ったときは夢を追いかけている人などごく一部なのではないかと疑問を抱いていた。しかし読み終えると、何をすることで自身の夢に向き合えるのかを想像できたように思う。まだ夢を追った経験のない人や年齢を気にして夢を諦めかけている人にも、今の自分を見つめ直すきっかけを与えてくれるところが本書の最大の魅力だと感じる。

では、その理由を2点挙げてみたい。まず1点目は「夢=人生」と重く考える必要はないという点、そして2点目は挑戦してみることが何より大切という点だ。

前者について著者は、「ぼんやりとしか見えなくても、そちらへ行けばもっと楽しいことがあるはずだ、と匂う。それが夢というものである。」と述べている。つまり夢とは、偉業を成したり人生を背負ってそれだけに力を注いだりするのではなく、自身の楽しみを追求していくゲームなのだ。夢がない、すなわち没頭できるものがないというのは、自分自身についてまだ理解しきれていないだけなのであってこれから新たな一面を発見し、可能性を少しずつ広げていけば良い。夢を抱くことはハードルが高いわけではないと著者は教えてくれる。

そして後者の挑戦は、それによって今の自分を知り、夢を実現させるための第一歩となる。夢は理想を思い描くだけではなく、小さな目標から達成していき、楽しみを膨らませながら前進していくものだと著者は強調している。また、「必死に考え、幾度も試してみた誰もが経験するごく当たり前の『奇跡』なのである。」と述べているように、何も始めずに夢は語れない。ただそうは言ってもなかなか重い腰が上がらないのが私たちであろう。本文の後半では誰もが当てはまりやすい弱点にアドバイスをするなどの著者の気遣いもあり、自然と背中を押してくれる。

私は本書を通じて、今まで夢を持つ人を遠くから羨ましく思う考え方を180度転換できたと感じる。それは誰もが実現させられるのが夢であり、またその過程は自身が感じる楽しさを知り、掘り下げて追求し続けることだと初めて気付かされたからである。どんなに些細な目標でも、積み上げていけば大きな夢となり明日を楽しむ力となる。「自身から生まれる楽しさ」は探すことから始まる。
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年4月28日 新聞掲載(第3187号)
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