シンフォニカ Vol.2 / 加藤典洋(シンフォニカ編集グループ)響き合う批評誌「シンフォニカ VOL.2」刊行!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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ここを伝えたい!本の編集者より
2017年5月2日

響き合う批評誌「シンフォニカ VOL.2」刊行!

シンフォニカ Vol.2
著 者:加藤典洋、友田 健太郎、伊東 祐吏、ギッテ・ハンセン
出版社:シンフォニカ編集グループ
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「シンフォニカ」は響き合う批評・文学を目指して、2013年11月に創刊しました。それぞれの論者の文章が、独立し、ただバラバラに置かれているのではなく、雑誌という空間のなかで相互に何か音を響かせ合うような、そのような文芸誌を理想としています。

「シンフォニカ VOL.2」の目玉は「戦後と災後のインターセクション」という特集です。

まず、戦後とは何か考えることをみずからの批評家人生を通じて課題としてきた文芸批評家の加藤典洋氏の批評「復元話体のなかで——大震災と柴崎友香『私がいなかった街で』」を一挙掲載。加藤氏は震災後の日本文学に現れたあまたの作品のなかでも柴崎友香『私がいなかった町で』が傑出しているといいます。この作品の構造にある仕掛けを読み解き、そこに復元話体という技法を見出すことで、加藤氏独自の震災後文学論を展開しています。

また、第52回群像新人文学賞(評論部門)で優秀作として入賞し、『戦後論 日本人に戦争をした「当事者意識」はあるのか』などの著作がある伊東祐吏氏は、赤坂真里『東京プリズン』を批判的なまなざしで論じます。戦後と日本人を考えることから批評活動を始めた伊東氏が、ある時期から戦後と私という問題意識のなか筆を執ってきた赤坂真里をいかに読むのか。その読解のダイナミズムは必見です。

同じく第48回群像新人賞で批評家としてデビューし、小劇場を中心とした劇評を書き続けている友田健太郎氏は話題の「シン・ゴジラ」を論じます。ゴジラという「虚構」と社会や政府という「現実」そしてアメリカという「見えざる顔」という三つの対立がこの映画のなかで、どのように描かれているのかを鋭利に分析しています。

さらに、日本の現代文化をつぶさに観察しつつ新しい女性像を浮かび上がらせる画期的な論をイギリスで刊行し、さらに現在、村上春樹の新しい読み方を示す刺激的な本を執筆中のギッテ・ハンセン氏。彼女の村上春樹の「女性の語り」に注目したおそらくこれまで日本にはなかった村上春樹論を翻訳し掲載しました。いまの村上春樹論壇に一石を投じる批評となるでしょう。

若い映画監督で、 性表現と笑いの表現を、いま、どう映画として映し出すか、その難問に数々の作品のなかで挑戦している、髙畑鍬名氏のインタビューも掲載。巻末には高畑氏の小説も登場しています。

そのほか、チェコとイギリスから届いたエッセーや、働く人に向けた6冊ブックレビューなども誌面を賑わせています。「シンフォニカ」でしか読めない批評、インタビュー、エッセー、小説をご堪能ください。(A5判・一四四頁・九二六円・シンフォニカ編集グループ・978-4-9909246-1-4)

この記事の中でご紹介した本
シンフォニカ Vol.2/シンフォニカ編集グループ
シンフォニカ Vol.2
著 者:加藤典洋、友田 健太郎、伊東 祐吏、ギッテ・ハンセン
出版社:シンフォニカ編集グループ
以下のオンライン書店でご購入できます
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