スノーデン 日本への警告 書評|エドワード・スノーデン(集英社新書)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
読書人よ、集まれ!

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは

読書人紙面掲載 書評
2017年5月8日

スノーデン 日本への警告
エドワード・スノーデン他著

スノーデン 日本への警告
著 者:エドワード・スノーデン
出版社:集英社新書
このエントリーをはてなブックマークに追加
二〇一三年六月に起こった、いわゆる「スノーデン・リーク」。本書は、この事件の当事者であるエドワード・スノーデン氏が、昨年六月に開かれたシンポジウム「監視の“今”を考える」で発言した言葉を中心にして編まれたものである。

そもそも「スノーデン・リーク」とはどのような事件だったのか――。アメリカ国家安全保障局(NSA)の下請会社の職員だった、スノーデン氏が、アメリカ政府の内部資料をジャーナリストにリークし、イギリスの「ガーディアン」とアメリカの「ワシントンポスト」などで、調査報道がはじまる。中でも、人々を驚かせたのは、以下のことだった。NSAが、(1)米国の電話会社に命じて、国際通話・国内通話含めて、すべての電話のメタデータを、毎日提出させていたこと。(2)フェイスブック、グーグル、アップルなど国内に本社を置く九社のテクノロジー会社に、電子メールやSNSによる通信内容の提出を秘密裏に命じたこと。(3)米本土に繋がる海底光ファイバーなどから、通信情報を直接入手すること。これらの監視プログラムを通して、「すべての個人情報を集める」ことが可能になる。因みにメタデータとは、ある携帯電話が、いつどこで、どのくらいの時間、誰と通話されていたかを表す情報であり、ひとりの人間の交際関係がことごとく把握されてしまう。恐ろしいのは、一度集めたデータは決して消えないことである。

こうした監視行為は、法に抵触しないのか。たとえばシンポのパネリストのひとり、弁護士のワイズナー氏は「違憲」だと述べる(監視プログラムの違憲性を問う連邦控訴審では、電話のメタデータ収集は違憲と判断された)。そして、このような政府による監視は、米国だけでなく、世界中に広まっているという。市民はこれにどう抗っていけばいいのか。重要な役割を果たすのがメディアだと、パネリストの多くが指摘するが、日本で、報道機関が抑止役を担えるのか。改めて重要な問題を提起している。
この記事の中でご紹介した本
スノーデン 日本への警告/集英社新書
スノーデン 日本への警告
著 者:エドワード・スノーデン
出版社:集英社新書
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年5月5日 新聞掲載(第3188号)
このエントリーをはてなブックマークに追加
エドワード・スノーデン 氏の関連記事
読書人紙面掲載 書評のその他の記事
読書人紙面掲載 書評をもっと見る >
社会・政治 > 事件・犯罪関連記事
事件・犯罪の関連記事をもっと見る >