手にした瞬間に、愛おしく感じる|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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編集室から
2017年5月18日

手にした瞬間に、愛おしく感じる

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対談冒頭で松浦寿輝さんが指摘されているように、書物というのは、「視覚的かつ触覚的な佇まいが、優れた中身を的確に表現していることが多い」。
職業柄、書店には、毎日一度訪れるようにしているが、ふと手に取ってみたくなる本がある。
昔、まだLPレコードが主流だったころは、「ジャケ買い」という言葉があった(今もあるのかな?)。
優れたアルバムとは、それにふさわしい「顔」を持っていた(ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』なんて、超絶格好良かった)。
さすがに本の場合、中身を確認せずに購入することはないが、頁をぱらぱらとめくっていくと、「これは、良い本だ」と、なんとなく直感的にわかる。
星野さんの『崇高の修辞学』は、まさに手にした瞬間に、愛おしく感じる、そのような書物である。本文レイアウトに関して、ひとつだけ細かいことを記しておくと、「一」という文字に注目してみるといい。それだけで、この本が、とてつもないこだわりのもとに編まれたことがわかるのである。(A)
2017年5月12日 新聞掲載(第3189号)
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