【横尾 忠則】色んな言葉の国の人がアトリエに来ちゃいました。|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
2017年6月6日

色んな言葉の国の人がアトリエに来ちゃいました。

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アトリエにてメキシコ芸術交流財団の皆さんと(撮影・相島大地)
2017.5.22
 今日は30度近くなるというじゃないですか。この暑さに挑戦して45分ばかり公園をグルリと一周する。

メキシコ、ドイツ、スイス、アメリカからサミットじゃないけどメキシコ芸術交流財団が色んな言葉の国の人達を集めてやって来ました。「なんで赤をよく使うの?」という質問に個人的な回答をすると、あんまり納得されないので、じゃ、と社会的というか民族的な理由の回答をしてデッチ上げると、ウンウンとうなづくんだよね。

2017.5.23
 高台にあるどこかの建物の中の窓から見下すと岩がゴツゴツした海岸が見える。海の中から突き出した岩に時々高波がザブーンとぶつかるがこの波が凄い。30~40メートルもの高さにドドドドーッと、まるで爆弾が落ちた時の水柱のように噴き上げるんだなあ。そんな光景をあっけにとられて眺めているという夢を見たせいか、目が覚めるとちょっと気持悪い。「熱中症かも?」と隣りの水野クリニックへ駆け込むと案の定「熱中症になりかけ」ってことで点滴を受ける羽目になる。点滴はおまじないみたいなもんだけれど、治った気分になるのでアリガタイものだ。

2017.5.24
 また目が覚めると昨日と同じ。今日は玉川病院へ行ってみよう。「散歩した時に脱水症状を起こしたのかも」と昨日より大量の点滴をされちゃいました。点滴もOS1を飲むのも結果は同じらしい。折角だから点滴をしてもらう。点滴は嫌いじゃない。料金は診察込みでたったの550円也。550円で安心が買えるなら安いもんだ。

町田市立国際版画美術館にて蜷川実花さんと対談(撮影・徳永明美)
2017.5.25
 「日月火水木金土」を白、黄、赤、青、緑、金、黒の七色に分けて自分の誕生日の曜日の色を顔にベッタリ塗るように画学生に指示をするというコンセプチュアルな夢を見る。

町田の版画美術館で蜷川実花さんとのトークがあるので妻と徳永とで出掛ける。蜷川幸雄さんと死の直前に対談の予定があったんだけれど、それがお嬢さんの実花さんに変ったって感じだったけれどお父さんと対談をしても同じような話になったように思うんだけれど、熱中症上りにしてはまあ特にシンドイとも思わなかった。
桂花にてエルベ・シャンデスさん(中央)、滝沢直己さんと(撮影・徳永明美)

2017.5.26
雨でうっとうしい日だったけれど神戸から山本さん、田中さんが来て、次回展のことやコマゴマしたことの打合せをする。展覧会の回数を年三本を二本にしようよと提案したけれど、期間が空き過ぎなのでやっぱり三本にして欲しいということになる。ハイハイ、わかりました、そーしましょう。

夕方にパリのカルティエ現代美術財団の館長エルベ・シャンデスさんが昨日来日して明日、韓国へ行くそんなタイトなスケジュールなのにアトリエに遊びに来てくれる。ソウルの現代美術館でカルティエ・コレクション展が明日からオープンするらしいけれど僕の100何人かのアーティストの肖像画も展示するそーだ。このあと上海に巡回するので、その時上海に招待したいので「どう?」と打診されるが外国は疲れるので御法度ということにしています。いつも新作が見たいのでドンドンメールで写真を送って欲しいと。カルティエの100何人かのアーティストの作品集に集録する文章を、この展覧会を担当した学芸員のヘレンさん(現アルゼンチンのフランス大使館)に書いてもらおうとエルベさんが提案。彼女ならピッタリだ。

2017.5.27
 わが家は外国の海辺に建つ西洋館で、実に気持ちのいい環境だ。手を伸ばすと、届くほどに海の波が寄ってくる、そんな場所にある。どうも最近の夢は物語の欠如が目立つ。絵も極力物語を排除しようとしていることと何か関係あるのか、ないのかよーわからんけど。

夕方、マッサージに。マッサージは交感神経と副交感神経のバランスをとって自律神経を正常に戻してくれるような気がする。

2017.5.28
 深夜2時に覚醒。今朝の朝日新聞に書評が出るので、それを見て2時間ばかりトロトロと眠る。

日曜の早朝(7時頃)に例のフラゴナール貴婦人が公園に現われるかも知れない。僕がワーワー言い過ぎたせいか山田さんは興味ありそうだけれど、熱中症になるかも知れないので散歩は中止。一瞬、視線を投げかけられたので美人に見えたのかも知れないが、ジックリ拝顔するとどうだか、段々自信がなくなってきた。

昨日公開された「家族はつらいよ2」を劇場で見られたそーだが、Part1より手ごたえはあったよーだ。今秋クランクインするPart3が楽しみだ。

午後アトリエで一気に100号を完成させちゃう。十和田市現代美術館の個展のための新作。だが、これは物語的かも。(よこお・ただのり=美術家)

2017年6月2日 新聞掲載(第3192号)
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