第一回 大宅壮一メモリアル 日本ノンフィクション大賞 贈賞式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年6月23日

第一回 大宅壮一メモリアル 日本ノンフィクション大賞 贈賞式開催

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森健氏と菅野完氏
6月16日、東京都内で第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の贈賞式が行われた。受賞作は大賞が森健氏の『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』(小学館)、読者賞が菅野完氏の『日本会議の研究』(扶桑社)。

この賞は、一九七〇年に制定された大宅壮一ノンフィクション賞をリニューアルしたもので、対象期間に発表されたノンフィクションの中から最も優れた作品を顕彰するものとなり、過去の大宅賞受賞者も選考対象となる(森健氏は第43回大宅賞受賞者)。また選考方式は候補作の発表後、一般読者からのネット投票(今回の総数は4054名)を受け付け、その結果と有識者による「大宅賞委員会」の投票を踏まえ、選考顧問立ち会いのもと大賞が決定される。また読者賞は、読者投票の得票数一位の作品に対して与えられる。

賞の贈呈後、選考顧問の後藤正治氏は挨拶で「菅野さんの作品は日本会議というどうもよく分からない組織体のルーツにきちんと調べて肉薄しており、現代的なテーマを扱っているという点で評価に値する作品だった。また大賞の森さんの作品には強い印象と感銘をうけた。「宅急便の父」として高い評価を受けてこられた小倉氏が、経営の第一線を退いてからは私財を投げうって福祉事業に携わってこられたことは一部では知られていたと思うが、小倉さんにはさらに知られざるもう一面があり、苦難の人生を歩んでこられた方だったということがよく分かった。小倉さんは困難を抱えつつ、広い心をもって終始家族を愛し、背筋が伸びた人生を歩んでこられた方だと知ることが出来る心に残る作品だった。今回新たに大宅賞が再出発したということで、これを機に日本のノンフィクションを元気にする大きなきっかけとして存在していってくれることを願っている」と話した。

日本会議の研究(菅野 完)扶桑社
日本会議の研究
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菅野氏は「編集者とこの仕事をはじめたのが2015年の2月で、思い出せば当初から大宅賞を取りたいねと言い続けてきていた。その編集者と僕の夢が叶ったことをまずは素直に喜びたい。この作品が読者の支持を得たことは素直に喜ばしいのだが、僕にとってのほぼ処女作であり、たしかに文体やプロットなどに関してやり残したことはたくさんあり、大宅賞の水準に達していない部分もあろうかとは思う。これからも日本の右傾化という問題には取り組んでいきたいが、まず何よりももの書きとして、少しでも売れるものを書くことを至上命題に、なおかつザラザラして読者を嫌な気持ちにさせるようなノンフィクションを書き続けていきたいと思っている」と語った。
 森氏は「私はいろんな人のデータマンをやってきた過去があって、先日ノンフィクション史の本を書いた武田徹さんや、大宅賞選考顧問の後藤さんのデータマンもやったことがある。たぶん日本一データマンをやったことがあるんではないだろうか。このことがいろんな事実を伝える時に結構プラスになっていると思う。もう一歩取材を踏み込んだり、対象の言葉を取ってくるということを長い下積みの中で散々やってきたことが役立っているのだと思う。ノンフィクションの世界は一人だけの作業ではなく、編集者もいれば取材協力者もいて、今回の本もそうしたいろんな人たちの書いてほしいという思いのもとに書いてきたような気がする。今の時代、知ったからといってなんでも書いていいというわけではないと思うが、一方で書き手としては自分が明らかにしたファクトや、自分が感じた喜びや驚きは伝えたいと思っている。またそれが本として面白いかどうかということも結構大事だと思っている。今回それが出来たかどうか自分では何とも言えないが、これからも研鑽を積みながら書いていきたい」と述べた。
2017年6月23日 新聞掲載(第3195号)
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この記事の中でご紹介した本
小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの/小学館
小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの
著 者:森 健
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
日本会議の研究/扶桑社
日本会議の研究
著 者:菅野 完
出版社:扶桑社
以下のオンライン書店でご購入できます
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