通信制高校のすべて 「いつでも、どこでも、だれでも」の学校 / 手島 純(彩流社)通信制高校の全体像、真の姿を知ってほしい 手島 純|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
読書人よ、集まれ!

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは

著者から読者へ
2017年7月4日

通信制高校の全体像、真の姿を知ってほしい 手島 純

通信制高校のすべて 「いつでも、どこでも、だれでも」の学校
著 者:手島 純
出版社:彩流社
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年末から翌年にかけて、通信制高校であるウィッツ青山学園高校による「就学支援金不正受給事件」がマスコミで繰り返し報道されました。しかし、大騒ぎになったわりには通信高校のことが知られていないと思いました。当該校が広域通信制高校で、そのなかの株式会社立であることを知っている人はどれだけいるのでしょうか。通信制高校については進学ガイドのような書籍はありますが、その歴史や制度まで論じたものはありません。かつて私が書いた『通信制高校を知ってるかい』『これが通信制高校だ』(ともに北斗出版)はありましたが、どちらも絶版になっています。

一方、高校通信教育のことを研究している若手の研究者が、日本通信教育学会に集っていました。私も学会のメンバーでしたので、なぜ通信制高校のことに関心があるのか若手の研究者たちに聞いていくと、自身が高校や大学を中退したり不登校だったり、また、通信制高校や大学で学んでいたりしたことが分かりました。実は通信制高校は、高校中退者や不登校者のセーフティネットになっているのです。彼ら彼女たちから通信制高校研究への特別な「熱意」を感じ、このメンバーを加えて私はもう一度通信制高校の本を出版しようと決意しました。

私は長く公立通信制高校に勤務していましたので、通信制高校についての知識はあったのですが、1990年代以降は私立通信制高校が増え、サポート校などのサテライト教育施設も併設するようになり、実態を把握するのはなかなか難しくなってきました。近年、いわゆる通学型通信制高校というのも登場しています。また、通信制高校を卒業したサッカー選手も日本代表として活躍して、セーフティネットとしての通信制高校という枠組みだけでは収まらなくなっています。本書を『通信制高校のすべて』としたのは、とにかく通信制高校の全体像を知ってほしかったからです。清濁併せのみながら進化している通信制高校の真の姿に触れてほしかったからです。

第1・2章で通信制高校の基本的なことを記し、そのまま各章で詳しい内容に入っていきます。第12章「座談会」では通信制高校の全体像を概観できます。どちらにしろ、本書は通信制高校の決定版になったと自負しています。

さらに通信制高校のことを高校教育全体との関係も含めて執筆していますので、通信制高校に関心のある方はもちろん、高校教育全体のことを考えている方などに幅広く読んでもらえるとうれしい限りです。
(てしま・じゅん=星槎大学教授)

この記事の中でご紹介した本
通信制高校のすべて 「いつでも、どこでも、だれでも」の学校/彩流社
通信制高校のすべて 「いつでも、どこでも、だれでも」の学校
著 者:手島 純
出版社:彩流社
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年6月30日 新聞掲載(第3196号)
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者から読者へのその他の記事
著者から読者へをもっと見る >
教育・子ども > 教育一般関連記事
教育一般の関連記事をもっと見る >