ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長・パピプペポ川柳創始師範)✕玉袋筋太郎(お笑い芸人・全日本スナック連盟会長) 対談 パピプペポ川柳と遊びの哲学|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年7月12日

ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長・パピプペポ川柳創始師範)✕玉袋筋太郎(お笑い芸人・全日本スナック連盟会長) 対談
パピプペポ川柳と遊びの哲学

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大好評の「パピプペポ川柳」特集第3弾。パピプペポ川柳創始師範で、元『週刊プロレス』編集長・ターザン山本さんとお笑いコンビ「浅草キッド」の玉袋筋太郎さんの夢の対談が実現! 「パピプペポ川柳と遊び」をテーマにパピプペポから始まる言葉の連想や旧知の2人だから話せる抱腹絶倒の話の連続。パピプペポとは一体何か? 2人にとっての遊びの哲学とは? 「週刊読書人ウェブ」限定で公開!


クズ道とパラダイス


ターザン
 僕、最近「ザ・クズ道」って言われたんですよ。
玉袋
 クズ道って。のっけからトップギアだねえ(笑)。またワンランクステージが上がったんだ、いいことじゃん。確かに山本さんって見た目も生き様もパピプペポって感じなんだよな。ガギグゲゴとかじゃないんだよ。
ターザン
 パピプペポって音の響き自体可愛いじゃない。僕がやっているパピプペポ川柳は最後の5文字をパピプペポで締めるから句そのものが気楽で、どうだっていいじゃんって気持ちでまとまるんだよね。
玉袋
 つまり“ケ・セラ・セラ”ですね。
ターザン
 まさに“なるようになれ”だよ。
玉袋
 パピプペポの中にはピー音も入っているからね(笑)。それにパピプペポが頭に来る単語なんてみんな最高じゃん。パで連想するものといったら何と言ってもパラダイスでしょう! 人生パラダイスしてるよお、この2人は。
ターザン
 パスっていうのはどう? 「人にボールをパスする」のパス。
玉袋
 パスもいいよね。今ってさ、ボールを取ってシュートするまで全部自分でやろうとしちゃう。そうじゃないんだよ、「いいよ、やるよ!」っていう心が必要。
ターザン
 相手に委ねる精神が人間のコミュニケーションの上では大切だよね。
玉袋
 大事だと思うよ。俺もやっぱシュートする選手になるくらいだったらパス出す方に回りたいもん。じゃあピに行こう。これはやっぱピースでしょう。僕らは平和を愛する人間だからね。
ターザン
 僕はピーナッツが好きなんですよ。
玉袋
 急に飛んだよね(笑)。そりゃ俺も好きだよ、ピーナッツ。美味い上に飽きもこない。柿の種にも必ず黄金率で入っているしさ。あいつは裏切らないよ。
ターザン
 ピンクもいいんじゃない。永源遥が60過ぎて履いていたタイツはピンク色だったし。 
玉袋
 派手になったよねえ。ピンクっていうのは気持ちを明るくしてくれるよ。それにピンクっつったらやっぱ林家ペーさん・パー子さんでしょう。あの2人なんてまさに平和の権化じゃん。あとピっていったらピストルだね。男は誰でも一挺、ピストルをぶら下げているわけだからさ。
ターザン
 男は武器を持ってないとダメだよね!
玉袋
 山本さんの武器はもう使えないじゃん(笑)。
ターザン
 もう暴発しかしない(笑)。
玉袋
 ガハハハハ、じゃあプに行こうよ。これはプロレス一択になるんじゃないの。あとはプータロー。
ターザン
 僕のことだ(笑)。
玉袋
 あと、プロフェッショナルなんてのもあるよね。
ターザン
 一転してカッコイイフレーズが出てきたね。
玉袋
 俺らって傍目から見ると遊んでいるようにしか見えないかもしれないじゃないですか。でも一口に遊びといってもプロフェッショナルの遊び方っていうものがあって、その域に達しないとこの商売は成り立たないんだよね。

ペンの暴力・ターザン砲

ターザン山本氏
玉袋
 ペで何か思いつきます?
ターザン
 なんだろうね、ペチャンコとか?
玉袋
 うーん……そうだ、ペンだよペン!
ターザン
 ペンの暴力(笑)。
玉袋
 そのせいで、山本さんは何度ペンを折られたことか。それこそバッキバキだよ。それも自分で折ったわけじゃないんだから。作家の断筆宣言みたいな自己完結じゃなくてね。でも山本さんのペンの実力は抜きん出ていますよね。ペン先一つで多くの人間を先導し、煽って、1つのジャンルをシッチャカメッチャカにした張本人なんだからさ(笑)。
ターザン
 無意識でやっていただけだけどね。それに周囲の目を気にし出したら何も出来ないじゃない。
玉袋
 とりあえず人の家に土足で踏み込んでいってね。
ターザン
 前田日明に土足野郎って言われましたから。
玉袋
 土足野郎だよ(笑)。他にもバイキン以下、アメーバ以下って言われたんだぜ。でもそういった罵詈雑言をものともしなかったわけだから、そこはすごいよ。
ターザン
 糖尿病野郎とも言われた(笑)。
玉袋
 そういう非難を乗り越えての毎週のターザン砲なわけよ。今流行りの文春砲のずっと前から山本さんは大ネタを撃ちまくっていたんだから。当時はネットなんてなかったから、雑誌から発信されるニュースにはとにかくパワーがあってさ。
ターザン
 特に週刊誌は情報の最先端だったからね。
玉袋
 雑誌以外にネタがないから常に飢餓状態なんだよ。とにかく一週間が待ち遠しかったもん。早く水曜日になれってさ。発売日の木曜じゃないんだよ。早売りで手に入れるんだから、こっちは。
ターザン
 タメの時間がみんな平等にあったよね。今はネットがあるからすぐ消費しちゃう。情熱を燃やすためには何よりタメが必要じゃないですか。
玉袋
 今は何でもすぐに出しちゃうから。ハイハイ、これで終わりって、ものすごく蛋白。俺らは違うもんね。昔はエロもそうだけど、どこまでも貪欲。
ターザン
 女の裸に辿り着くまでにどれだけ時間と労力がかかったことか(笑)。
玉袋
 もう大変だよ、こちとら飲まず食わずなんだから。だからこそ山本さんの仕事はあの狂ったの時代と見事にマッチングしていてなおさら面白かったよね。それこそ週刊誌界の風雲児だよ。
ターザン
 保守的な会社でよくあんな狂気の沙汰を毎週続けたよ(笑)。
玉袋
 厳重に鍵かけて閉じ込めなきゃいけない危険人物が野放し状態なんだもん。とはいえあれだけ雑誌を売って会社に貢献した人間を最後はあっさりだからね。
ターザン
 そうそう。主要団体から取材拒否されて、退職届け出しに行ったんだけど会社側は止めないんだから。普通はそこで一回止めるでしょ!
玉袋
 すんなり受理されちゃって(笑)。だけど一回世間に捨てられた男が今もこうして生き長らえているわけだから、奇跡だよね。こんなペラペラな男がさ。

芸名「玉袋筋太郎」

玉袋筋太郎氏

ターザン
 今更だけどさ、玉袋筋太郎って天才的な名前だね。こんな芸名を名付けるセンスは普通ないよ。愛が溢れてる。
玉袋
 命名はうちの師匠ですよ。前にねラジオで毒蝮さんが喋っているのを聞いてさ、後輩の近藤夢ちゃんに「夢ちゃん、毒蝮三太夫っつうのはすごい名前だよな、考えてみりゃ」って言ったんだよね。すると夢ちゃんに「確かに毒蝮さんの名前はすごいと思いますけど、玉袋筋太郎もよっぽどですよ」って返されちゃってさ(笑)。
ターザン
 普通自殺するよ(笑)。
玉袋
 まあ、この名前を貰った時は俺の存在なんて世間に認知されていないわけじゃない。ならいっそのことやけっぱちになってとことん遊んでやる! って気持ちになったんだよ。それこそ名前だけで笑いを取ってやろうって野望を抱いてさ。それが仇になって最近になるまでNHKに出演出来なかったけどね。そこは遠回りになったけど、むしろよかったと思うよ。
ターザン
 猪木さんも危うく「死神酋長」というリングネームを力道山につけられるところだったよね。その時、猪木は初めて力道山に反抗したんですよ。
玉袋
 「先生、それだけは勘弁してください」ってね。その名前だったら今の猪木はないよ。アントニオ猪木だからアントニオ猪木なんだよ。
ターザン
 長州力もこのリングネームをもらった時は相当落ち込んだんですよ。
玉袋
 へえー、吉田光雄が長州力って名前で。そう考えるとタフだね、俺は(笑)。玉袋筋太郎で結婚して、ちゃんと子ども育てあげて結婚もさせた。今は老いた母と一緒に暮らしているんだからさ。エラい! もっと褒めろ! 言うだけ野暮になるけどさ。
ターザン
 玉ちゃんはエラいと思うよ。まさに「玉袋 もらって徳あり パピプペポ」ですよ。
玉袋
 ここでパピプペポ川柳。
ターザン
 玉は尊くて光る徳のあるものでしょ。袋は徳の入れ物。筋は筋が良い人ってよく言うじゃないですか。
玉袋
 筋を通すっつうのもあるね。で、太郎。男の子の鉄板の名前なんだから。俺の名前をそうやって褒めてくれる人ってなかなかいないよ。前に褒めてくれたのはシンガポールにある日本風のスナックいた中国人ホステスだけだよ。俺の名前を1個1個バラして読んで「あなたの名前は素晴らしい」って言ってくれたんだよね。
ターザン
 中国人は名前の漢字を単体ごとに読んで全体の意味を構築するからね。
玉袋
 あと印鑑屋のおばさんも褒めてくれたな。
ターザン
 印鑑屋ってハンコ作らせようとして姓名判断するじゃない。
玉袋
 だからどんな名前でも褒めやがるんだよ。危うく買わされそうになったもん。でも本名違うし、玉袋でハンコ作んねえよって(笑)。

ポップと幼児プレイ


玉袋
 ポって言ったらポップかなあ。「クズ道の ターザン山本 パピプペポ」って詠むと、クズ道自体がポップに聞こえるよ。
ターザン
 そうなんですよ。パピプペポを使えば言葉も人間もお茶目になるんじゃないですか。堅物が柔らかくなって無邪気になれる。半濁音は人々を幸福な感覚にして全部チャラにしてくれる。
玉袋
 刺さっている棘が抜けるよね。
ターザン
 パピプペポ川柳の出発点もここにあって、普通の川柳は五・七・五だからどうしても日本語がエッジになるじゃないですか。パピプペポ川柳は12字プラスパピプペポだから尖った言葉がまろやかになってクスっと笑えるようになる、という仕掛けなんですよ。
玉袋
 なるほどね。あとさ、パピプペポって言葉は表向きマジメ一徹に毎日戦っている会社の社長の性癖が赤ちゃんプレイ好きだっていう感覚に近いんじゃない? つまり幼児プレイ?
ターザン
 言葉のチョイスが最高だね(笑)。
玉袋
 だってパピプペポって言うだけで甘えている感じに聞こえるじゃないですか。自分が大人であるという心の鎧を脱げますよね。
ターザン
 今の世の中って家族や学校、組織、上下関係といったしがらみのせいで特に窮屈になっているけれど、パピプペポ川柳をやればみんな解放されるんじゃないかなあ。
玉袋
 むしろ子どもが詠んでも面白いんじゃないですか。
ターザン
 今度、僕が小学生にパピプペポ川柳を教えに行くという企画があるんですよ。
玉袋
 素晴らしいことですよ。でも山本さんは子どもたちに強烈なトラウマを与えちゃうんじゃない? 「あの学校に来た派手なおじさん、パピプペポ、パピプペポって入れ歯で喋ってたけど、あれ誰だったんだろうなあ」って大人になった時に思い出すんでしょうね(笑)。

ゆるゆるはガチガチ


ターザン
 玉ちゃんは競輪で遊んだり、スナックに飲みに行くじゃん。僕は競馬場に行くでしょ。どっちもいいことじゃないですか。
玉袋
 山本さんに褒められたよ。嬉しいねえ。
ターザン
 メシ食おう、喋ろう、笑おうよっていうのと一緒じゃない。でもそういった遊びが今咎められる風潮になっている。
玉袋
 何がいけねえんだって気持ちだよ。だけどさ、俺たちは遊びながらも締めるところはきっちり締めているからね。
ターザン
 それを実践するのが遊びのプロ。
玉袋
 「あいつ遊んでいるだけじゃねえか」って見せるのって技術が必要ですから。今、酒飲み番組が流行っているけどさ、遊び半分で仕事半分みたいな雰囲気を出しているレポーターの方がやっぱり見ていて面白いよね。あと深夜の長寿番組『タモリ倶楽部』も放送ではゆるゆるに映っているでしょ。でも本当はガチガチに制作されている。番組スタッフなんて30年くらい変わらずにやっているベテラン揃いだからね。
ターザン
 わざとゆるく作っているんだ。
玉袋
 ゆるく見せられる面白さが番組を支えているんですよ。それこそ現場も含めて一から十までゆるゆるで制作したら、ああいうテイストに映らず、無様でみっともない番組が出来上がっちゃうと思う。脇はガッチリ固めて、ゆるい作品をきっちり作る。
ターザン
 WWEが一分の隙もないほど完璧にプロレスを作っているのと一緒だ。
玉袋
 そのとおり。『タモリ倶楽部』だって視聴者側から見たらパピプペポの精神じゃないですか。番組にはパピプペポ的な面白さがあるけど、作り手側には一本しっかりした芯が入っている。入っているんだけどパピプペポに映る。遊びを人に見せるためには決してぶれない軸みたいなものが必要だってことの証明だよね。
ターザン
 遊びと真剣のバランス感覚が欠かせないんだね。

平和の言葉・パピプペポ


玉袋
 なんだかんだ山本さんと話てると楽しいよ。
ターザン
 浅草キッドには「浅草お兄さん会」でお世話になったよ。あの時一緒に遊んだ人たちはみんな有名になったよね。マキタスポーツとかさ。
玉袋
 U字工事、米粒写経……、みんなそうだよね。あの時山本さんをフルチンにしたりしたよね。あの場では振り切ってバカやらないと、50歳の世の中に見捨てられた山本さんを救えねえって思ったからさ。猪木さんの「バカになれ」と同じで、俺たちは真剣にバカに徹した。だって山本さん、ふと我に返ったら首縊っちゃうんじゃないかってホントに心配したんだよ。だったらいっそバカやらせちゃおうって発想。あとは『週プロ』で熱狂させてくれた恩返しの意味も込めてね。
ターザン
 愛を感じましたよ。そういう経験も踏まえて僕の人生はエンタメそのものですから。
玉袋
 人生のどん底を見た人間が見出したパピプペポの楽しさを受け止めたらさ、世の中平和になるんだよ。ニュースとかネットでわーわー言っている平和じゃなくてさ、真の平和だよね。山本さんのおかげで日本はもう安心。
ターザン
 素晴らしいオチをつけてくれましたね!
玉袋
 何にでも目くじらを立てて、不正だとか失言みたいなものを追求することは社会正義なのかもしれねえけど、そこにはパピプペポがないんだよ。どうも嫌だね、俺は。
ターザン
 まさにストレス社会の象徴。
玉袋
 あとは気取っているやつらと飲んだ時って全然面白くねえんだよ。取り巻き抱えちゃって自分がみっともねえってことに気づいてないの。そういうやつらの飲み方や遊びって嫌いなんだよな。自分が偉くなったつもりで無意識に人のことを見下してさ、そんな人間好きになれねえよ。パピプペポがわかってないんだよな。
ターザン
 考え方や遊び方が凝り固まっちゃっているんだね。
玉袋
 そういう意味じゃパピプペポは何にも束縛されていないじゃん。まさに放牧の精神。
リードついてねえもん。今はみんな自分で自分の首にリードをつけちゃって行動を縛っている。
ターザン
 レッテルも貼られちゃうしね。
玉袋
 パピプペポに満ちた世界はそうじゃないんだよ。そんな世界で長生きしたいよ。
ターザン
 玉ちゃんが今の僕の歳に追いつくまでの20年間をどう生きるのか楽しみだよ。
玉袋
 50から70っていう脂が乗りきった年月を歩んできているからやっぱり人生の大先輩なんですよね。今までずっと山本さんのことを同輩だと思ってたけど(笑)。そういう年齢のしがらみも何もかもぶっとばして人間関係の距離を近づけてくれるのもパピプペポの楽しさですよ。

波乱万丈の人生を送ったターザン山本さんが発見したパピプペポの面白さに真の世界平和を見出した玉袋さん。遊び名人の2人による本対談をお楽しみいただけましたでしょうか?
今後もパピプペポ川柳を切り口にした、ターザン山本さんの対談企画を掲載していきますので、引き続きご期待ください!

最後まで対談をお読みいただいた方へ。本編には収録しなかった裏の記事ページを用意しました。玉袋さんの真骨頂炸裂の裏パピプペポ川柳対談「競輪と熟女と相撲」はこちらから!



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