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編集室から
2017年7月20日

逸脱しないイノベーションはない

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ひと月ほどの間『愛人形』を持ち歩き、人に会っては見せていた。本にこれほど力があるのか、と驚くほどテンションが一気に上がるのだった。まずはエッチなものを覗き見ることへの興奮。しかし待ち受けるのは、予想を超える人形の精巧さと美しさ。そして皆、目が離せなくなる。

アツコバルーの展覧会は入場制限がかかっていて、これにも驚かされた。その瞬間まで私は、ラブドールをマニアあずかりのものだと考えていたのだろう。そこにはコミケの熱狂とも異なる、明るい活気がある気がした。

小野さんと菅さんの対談は、これまた大きく想像を超えてきた。「逸脱しないイノベーションはない」「アートとアーティフィシャルの意義は、逸脱によって思いもよらぬものを導くこと」という言葉が心に残った。対談を読んだ後には、「ラブドールって何だっけ?」(同じように、人間って何だっけ?でもいいのだが)と価値観の転換が起こったり、あるいはまじまじと臍を見てしまったりするかも。取材が立て込む中、インタビューに応じてくださった、オリエント工業さんにも感謝いたします。(S)
2017年7月14日 新聞掲載(第3198号)
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