ジグムント・ミウォシェフスキ著  怒 り 上・下   小学館文庫|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年8月1日

ジグムント・ミウォシェフスキ著  怒 り 上・下  
小学館文庫

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本書の舞台ポーランド・オルシュティン市は、長年ドイツ領だった街。当時の建物を眺め、ドイツ嫌いのワルシャワっ子である中年検察官シャツキは歯がみする。
「残念ながら、ドイツ人のほうがポーランド人より優れていると認めざるを得ない」と。
交通渋滞に苛立ち都市設計の悪さをディスり、職場の上司・部下や捜査の協力者にまで皮肉をぶちかまし、家に帰れば年頃の娘の態度にキレる。
そう、とにかく怒りっぽいのだ、この主人公は。モノローグでも会話でも、とにかくぼやいている。
「男性更年期か」などと、自分にツッコミを入れながら。
 こう書くとコメディ小説かと思われるかもしれませんが、れっきとしたハードボイルドで推理小説です。
事件は凄惨かつ超難物。物語がどこへ行くのか、最後の最後まで全く読めません。
そして衝撃のラスト。おそらく、読後三日間は作者の真意をアレコレ想像して悩むはず。
ポーランド、恐るべし。
ぜひその目で確かめてください。
(田口俊樹訳、既刊・上下各七七〇円・小学館)

この記事の中でご紹介した本
怒り 上/小学館
怒り 上
著 者:ジグムント・ミウォシェフスキ
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
怒り 下/小学館 
怒り 下
著 者:ジグムント・ミウォシェフスキ
出版社:小学館 
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年7月28日 新聞掲載(第3200号)
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