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漢字点心
2017年8月15日

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「山」という漢字は、三つの峰が並んでいるようすを描いた絵から生まれたもの。小学生のころ、そんな説明を聞いたことはないだろうか。まったく、わかりやすい成り立ちの漢字である。

ただ、もし漢字が、富士山のふもとで生まれていたとしたら? すそのの広い一つの峰だけ描いて、それで「やま」を表していたのではなかろうか。あるいは、険しい山の中腹で、漢字が生み出されていたとしたら? 「やま」を表すために、のんびりと峰を三つ、書き連ねるというような発想が、はたして生まれたか、どうか。

山を表す漢字が「山」であるためには、山の連なりを少し離れて見られる場所という、地理的な条件が必要だったのではなかろうか。そう考えると、漢字を生み出した人々が実際に生活していたその環境に、わずかだけだが触れるような気がする。

「山の日」にちなんで、改めて漢字のはるかなる歴史に、思いを馳せてみた次第である。

2017年8月11日 新聞掲載(第3202号)
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