銀行員大失業時代 / 森本 紀行(小学館)銀行員は座して死を待つばかりなのか!?|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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ここを伝えたい!本の編集者より
2017年8月23日

銀行員は座して死を待つばかりなのか!?

銀行員大失業時代
著 者:森本 紀行
出版社:小学館
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銀行員大失業時代(森本 紀行)小学館
銀行員大失業時代
森本 紀行
小学館
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フィンテックの嵐が日本に押し寄せようとしています。フィンテックとは、ファイナンス(金融)とテクノロジー(情報通信技術)を合わせた造語です。
米シティバンクは、今後10年間に、フィンテックによる業務効率化の影響で銀行員の3割が失職すると予想しています。証券大手のゴールドマン・サックスでは、2000年に600人いた株式トレーダーが運用プログラムに代替され、今ではたった2人になっているそうです。
では、日本はどうなのか。本書の著者・森本紀行氏は言います。
「日本の金融機関は、リーマンショック後の世界的金融危機にも大きな影響は受けず、人員もシステムも旧態依然としたままでした。そこにフィンテックが普及すれば、3割ではすまないでしょう。銀行員の5割、場合によっては7割が失職するのではないでしょうか」
衝撃的な予測ですが、例えば銀行の駅前支店を見てみましょう。
案内係、振り込みや預金の窓口、個人の融資担当アドバイス、現金出納などの後方業務……人工知能やロボットアドバイザーが普及し、PCやスマートフォンでの手数料の安い決済や振り込みが一般的になれば、不要になる職種ばかりなのです。

では、銀行員は座して死を待つばかりなのでしょうか。著者は、「人工知能(AI)よりあなたに相談したい」と顧客に言われるバンカーになることが最重要だと言います。AIにも限界があります。100%顧客の利益を考えられるのか。AIをプログラムするのも結局銀行ですから、銀行の利益優先になることはないのか。また、将来的な不確定要素を考慮した判断ができるのか。
それよりも、「今は新規のローンを組むより、住宅ローンの返済を優先したほうがいいですよ」と、銀行の方針に反しても「貸さない勇気」を持つ気概、顧客本位の仕事をする覚悟を持つことが、AIに対抗する手段だと著者は強調します。

本書のタイトルはセンセーショナルですが、根底には、銀行にしがみついて成長を忘れて生きるのではなく、フィンテックの激震に負けない、顧客本位に考えられる真のバンカーが増えて欲しいという著者のメッセージが込められています。そして、それは銀行に限るものではないと思うのです。

この記事の中でご紹介した本
銀行員大失業時代/小学館
銀行員大失業時代
著 者:森本 紀行
出版社:小学館
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