「一度きりの人生を死ぬまでの間、栄光と挫折をできる限り多く反復した者が勝利者となる」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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編集室から
2017年8月31日

「一度きりの人生を死ぬまでの間、栄光と挫折をできる限り多く反復した者が勝利者となる」

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池上永一さんの取材日、台風が来ていた。

私の池上作品との出会いは『パガージマヌパナス』。意味は分らないけれど響きのいいタイトルに惹かれたのだったと思う。何もなくて全てがある世界、社会から外れていて奇妙な、生命力が奥底から輝き出している登場人物たち、強く香る大気。構想二〇年の『ヒストリア』と、文章の密度や物語の厚みは違うのだけれど、重なるものを感じる。数々の壮大な物語を紡いできた一方で、根底が変わっていない、池上永一という作家の奥深さを感じる。

昼から数本の取材を受け続けていた池上さん。しかし疲れを見せず、本当にたくさん話をしてくださった(版元の編集者から「もうそろそろ…」と二度、止めが入った)。執筆の苦しみがない、ことはないだろうが、主人公の煉が次に何をしでかすのか、楽しみで仕方がない、と満面の笑みで語った。煉は最後に「一度きりの人生を死ぬまでの間、栄光と挫折をできる限り多く反復した者が勝利者となる」という。なかなか体験できないし、言えない言葉だ。でも私たちは、池上さんの本を通して、他の人生を生きることができる。

取材の間に台風が去ったらしく、帰り道は少しだけ涼しくなっていた。(S)

■関連特集■
池上永一ロングインタビュー 戦後ボリビアに生きた沖縄人の激動『ヒストリア』(KADOKAWA)刊行を機に

2017年8月25日 新聞掲載(第3204号)
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