田原総一朗の取材ノート「言論の自由と「亡国メディア」」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2017年9月19日

言論の自由と「亡国メディア」

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産經新聞の編集委員と対談をした。対談というより討論である。

加計学園の獣医学部の新設についての報道をめぐってである。

その編集委員は、加計学園の獣医学部の新設は全く、何の問題もない。それを朝日新聞や多くのテレビが、安倍首相の行政をねじまげた許しがたい依怙贔屓だと糾弾している。

朝日新聞は亡国新聞であり、多くのテレビは亡国メディア、だときめつけているのである。しかも、きわめて真剣に怒っているのである。

こういう主張は、彼だけではない。安倍首相を支持する少なからぬ学者や評論家が同じ主張をしている。

私は、彼に、安倍首相は、常識はずれの判断ミスをしたのではないか、といった。

加計の獣医学部新設は、一五回にわたって申請されていて、毎回否認されつづけてきた。

それを第二次安倍内閣になって認可された。しかも加計孝太郎氏は、親の代からのきわめて懇意な間柄である。その申請から認可までを、安倍首相が全く知らなかった。関係がなかった、というのはほとんどの国民にとっては信じ難い。何か、疾しいところがあって、全く知らなかったといわざるを得ないのではないか、という疑惑が生じてしまう。

国会の閉会中審査で、安倍首相は、今年の一月二〇日にはじめて知った、と答えた。手続きが全て終った日だ。だが、今年だけで、安倍首相は、加計氏と六回も七回も一緒に食事をしているのである。それでいて、獣医学部新設の話が、全く出なかったというのは、信じろというのが無理だ。しかも、安倍首相は、国会で六月に、二度も、事前に知っていた、と答弁しているのである。

編集委員は、私がいうのを、あなたが勝手に思い込んでいるだけだ、といい切った。

原論は自由だから、どのような見方があってもよいし、どんな批判をするのも自由である。

だが、自分と異なる主張をするメディアを「亡国メディア」だときめつけるのはいかがなものか。あるいは朝日新聞は、産經新聞のことを亡国新聞だと捉えているのだろうか。
2017年9月22日 新聞掲載(第3207号)
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