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漢字点心
2017年9月19日

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お彼岸である。今年もあちこちの道ばたで、ヒガンバナがにょきにょきと茎を伸ばしてきて、あやしい花を咲かせている。自然の摂理とはいいながら、なんだか不思議な気がする。

ヒガンバナは、別名を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という。仏教で天上界に咲く花を指すことばで、サンスクリットに対する当て字だという。最初の「曼」は、ほかに使われる例としては、やはり仏教用語の「曼荼羅(まんだら)」が思い浮かぶくらい。もともとは「長く伸びる」という意味があるのだが、現在では、サンスクリットに対する当て字以外では、まず使われない。

このような漢字はいくつかあって、「菩薩(ぼさつ)」「菩提(ぼだい)」の「菩」、「毘沙門(びしゃもん)」「荼毘(だび)」の「毘」などもその例。それぞれ、本来の意味はあるのだが、現在ではサンスクリットに対する当て字専用の趣がある。漢字の中には、その意味を失っているものもあるのである。
2017年9月22日 新聞掲載(第3207号)
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