すごい古書店 変な図書館 / 井上 理津子(祥伝社)すごい古書店 変な図書館  人と街を元気に  魅惑の古書店&専門図書館ルポ!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
読書人よ、集まれ!

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは

  1. 読書人トップ
  2. コラム
  3. 著者から読者へ
  4. すごい古書店 変な図書館 / 井上 理津子(祥伝社)すごい古書店 変な図書館  人と街を元気に  魅惑の古書店&専門図書館ルポ!・・・
著者から読者へ
2017年10月3日

すごい古書店 変な図書館 
人と街を元気に 
魅惑の古書店&専門図書館ルポ!

このエントリーをはてなブックマークに追加
新刊書店で本が売れないと、私たち著者も出版社も潤わないが、そもそも読書人口が増えてほしいしーー。ときどき、そんなことを思いながら回った。初出は、夕刊紙「日刊ゲンダイ」の読書面。連載した古書店と専門図書館の訪問記だ。

一軒につき約1000文字で、見開きに収まり、東京と近郊の古書店85軒と専門図書館32軒の紹介本となった。僭越ながら同種の紹介本とちょっと違うのは、短いながらもルポ形式であることだ。

古書店では、店内の様子を拝見するばかりか、店主になにやかやと質問し、おそらく「面倒くさいなあ」と思われながらも、応じてもらったことや、滞在中に来店したお客と話したことも記した。

経堂の「大河堂書店」には、“絶版文庫”が並ぶ「品切文庫」の棚があり、店主が「私が好きなのはコレ」と川口松太郎著『人情馬鹿物語』(昭和56年、講談社文庫版)に目を細めた。山岳と料理の本に強い神保町の「悠久堂書店」では「この店は私の趣味と全部重なる」という常連客が、店主に成り代わって山岳書の棚を案内し、「植村直己は元は落ちこぼれと分かって共感した」と熱く語り始めた。田園調布の「田園りぶらりあ」に無造作に積まれた中に土門拳の『古寺巡礼』(美術出版社、全5冊、定価29万円=店での売値1万円)が混ざっているのに驚いていると「ね、ウチ、安いでしょ」と店主、にっこり。

ネット書店とは異なる“偶然”の出会いに満ちた、リアル古書店の醍醐味である。家業を継いだ方や「就職しないで生きるには」的に開業した人など店主の経歴さまざまだが、みなさん「昔と違って、この頃は……」とお嘆きになりつつも、本好きのオーラを発しておられる。あの手この手で店売りの工夫をなさっている姿にも胸を打たれた。

専門図書館では司書の方々に特徴的な本を出してもらい、「ライト兄弟初飛行の7年後に日本で飛行機が飛んだ(航空図書館)」、「『公園』は明治政府が作った言葉だった(みどりの図書館)」、「日本の貿易量の99・7%は船が運んでいる(海事図書館)」などと雑学も仕入れさせていただいた。

古書好きの方にも、それほどでもないという方も、本書を読んで、掲載店に足を運んでほしい。そして、広く読書人口が増えて、新刊書の隆盛にもつながってほしい。淡い期待を込めて、この本を送り出しました。
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年9月29日 新聞掲載(第3208号)
このエントリーをはてなブックマークに追加
井上 理津子 氏の関連記事
この記事の中でご紹介した本
すごい古書店 変な図書館/祥伝社
すごい古書店 変な図書館
著 者:井上 理津子
出版社:祥伝社
以下のオンライン書店でご購入できます
著者から読者へのその他の記事
著者から読者へをもっと見る >
文化・サブカル > 読書関連記事
読書の関連記事をもっと見る >