田原総一朗の取材ノート「大義なき解散、小池氏の勝負勘」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2017年10月10日

大義なき解散、小池氏の勝負勘

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九月二八日に衆院が解散した。マスメディアの多くや野党は、この解散を、大義なき、安倍自民党の党利党略を露骨に示した、憲法を踏みにじるものだ、と強く批判している。

安倍首相は、おそらく、民進党から次々に離党者が出てまとまらず、また若狭氏、細野氏たちの希望の党も、軸もビジョンも定まらなくて、いわば弱い野党が票を喰いあうかたちになって、自民党にとって有利だと判断したのであろう。

だが、安倍首相が予想していなかったことが、次々に起きた。

まず、小池百合子都知事が、希望の党の代表に就任したことだ。この瞬間から、新聞やテレビ、そしてネットも、話題は、小池一色となった。

小池都知事は、都議選で、名前も、どういう人物かもわからない候補者を立てて、四九人も当選させた実績がある。都議選でも、都民ファーストはビジョンらしきものはなかった。だが、小池都知事が率いる、ということが強烈なビジョンとなったのである。

第二の異変は、野党第一党の民進党代表である前原誠司氏が、小池都知事と極秘に会談して、何と、事実上、民進党を希望の党に合流させることを決めたことだ。両党が合流すれば、おそらく一三〇議席以上獲得することになり、安倍自民党にとっては強敵になる。

ところが、その後、小池都知事が、「民進党の全員受け入れは、さらさら考えていない」と宣言した。

小池氏は、希望の党は、寛容な改革をめざす保守党である、と主張していて、どうやら民進党のリベラル派議員を受け入れるつもりはないようだ。

前原氏は、民進党議員が全員受け入れられるものと判断して、合流に同意したのだろうが、小池氏は、したたか、というか厳しかった。勝負師である小池氏としては、ここが大きな勝負所だと考えたのだろう。だが、受け入れられない議員が多くなって、事態はどうなるのか。小池氏の勝負勘が狂う可能性も少なからずある。
2017年10月6日 新聞掲載(第3209号)
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