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漢字点心
2017年10月17日

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「檄を飛ばす」といえば、誤用が広がっている例としてよく挙げられる慣用句。「元気のない者を活気づけようとする」という意味で使うのは間違いで、本来は「自分の主張を述べて、同意を求める」ことを表すという。

「檄」とは、昔の中国で、人びとを教え諭したり、召集したりする文書を指す漢字。たしかに「同意を求める」といったニュアンスだ。しかし、「檄」は、敵の来襲を知らせて兵の出動を求める場合にも使われた。その際には、緊急であることを示すために鳥の羽を添えたので、この「檄」を特別に「羽檄(うげき)」と呼ぶ。

「飛ばす」というからには、「檄を飛ばす」の「檄」も、「羽檄」のことではなかろうか。とすれば、「同意を求める」なんて悠長なものではなく、「立ち上がって戦え!」という切迫したイメージ。誤用とされている「活気づける」という意味も、ニュアンスの上からは無視できないように思われる。

2017年10月13日 新聞掲載(第3210号)
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