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2017年11月9日

この本には対話の心地よさがある

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仕事柄、扱うものは「言葉」。だから言葉を極めていなければならないはずだが、『大人のための国語ゼミ』は手ごわかった。「相手のことを考えてますか」「本当に分かってもらおうとしてますか」というシンプルな問いかけが、ビシリッと心に突き刺さる。
自分の普段の会話が文章が、独りよがりなものであること、逆に周囲の人々に分かってもらっていることに気づかされる。頁を繰れば「日本のお祭り」について、「日本語はかなりできるが日本のことはあまり知らない」相手に伝えて下さい、とお題。神社、境内、屋台、お神輿…説明が必要な言葉ばかり! いきなりムムム…となる。次は「飯盒炊さんのやり方を高校生に伝える」。
これまた難問! 飯盒って? かまどの作り方って? 火加減はどう伝えたらいい?! てなことを、考え考え解いているとあっという間に数時間経つ。「え~そんな問題解くの、面倒じゃない?」と思いましたか? ところがこれが、意外と快感。野矢さんの導きがステップを一つ一つ踏ませてくれるためか、立ち止りはしても必ず進めるし、何よりこの本には対話の心地よさがあるんです(うまく解けないと悔しいですが)。
いい日本語とは、心地よいものなんですね。
国語が世界を変える、をこの一冊から実感できること、請け合いです。 (S)

2017年11月3日 新聞掲載(第3213号)
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