『広辞苑 第七版』刊行―10年ぶりの大改訂。 キャッチコピーは「ことばは、自由だ。」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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出版メモ
2017年11月14日

『広辞苑 第七版』刊行―10年ぶりの大改訂。 キャッチコピーは「ことばは、自由だ。」

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広辞苑 第七版(新村 出)岩波書店
広辞苑 第七版
新村 出
岩波書店
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1955年に「初版」が刊行されてから60余年を経た新村出編『広辞苑』。刊行以来、「国語+百科」辞典の最高峰、国民的辞典として愛されてきた。そして2008年の「第六版」刊行より10年、2018年1月12日に『広辞苑 第七版』が刊行される。

「第七版」の編集にあたり、約24万項目すべてを再検討し全面改訂、新収項目1万を追加。動詞・形容詞やオノマトペを中心に、類義語の語釈の書き分けなど意味記述を刷新した。「第七版」新収項目に、安全神話、クラウド、デトックス、ブラック企業、がっつり、ごち、アラブの春、イスラム国、LGBT、iPS細胞ほか、「第六版」では見送り今回収録された項目に、裏紙、エントリーシート、キャリーバック、クールビズ、絶対数、天才肌、ドクターヘリ、ナルシスト、浜通り(福島県)、ブルーレイ、モラルハラスメント、などがある。そして、TPP、豊洲市場、放送禁止用語、がん見、きしょい、告る、ディスる、などは候補となったものの収録が見送られた。

10月24日に千代田区・学士会館で行われた刊行発表会で岡本厚社長(岩波書店)はまず「なぜ辞書を出すのか」について「自己中心的な人間、あるいは子どもっぽい人が増えている世の中で不足しているのは対話、コミュニケーションです。コミュニケーションは言葉です。人間は言葉無しには存在できず、そうであるならば言葉は人間そのものであると言えます。言葉は自由です。どんな権力者も言葉を強制することはできません。言葉は世代により地域により個人により少しずつ意味が振れます。そうした言葉の道しるべになるのが辞書です。言葉は絶えず動いているので正解はありません。ただ今の時点での共通了解を示すのが辞書です。言葉は人を傷つけもするし殺すことさえあります。言葉は人を励まし時にはその人の一生の間、魂を癒やすこともあります。言葉を獲得することで人は自由にもなります。だからこそ辞書を引いてほしい。対話によって人はもっと生きやすくなります」と語り、また「なぜ紙にこだわるのか」については「本の手触り、厚さがあります。ある言葉を引くとその言葉がどれくらいの厚さのところに記されているかがわかります。どちらの頁のどの段にあるかが頭に入ります。そしてどの項目とどの項目の間にあるのかを覚えます。或いは紙の香りを感じることができます。感じればそれは経験・体験になります。経験はその人にしかできません。経験は人間にとって大切なものです。特に若い世代にとっては不可欠です。ボロボロになった辞書はその人にしかない本になります。紙には紙の本にしかない価値があります」と発表会の参加者に語りかけるように刊行への決意表明をした。

『広辞苑 第七版』は11月3日より予約開始となり予約特典には作家・三浦しをん氏による広辞苑探訪記「広辞苑をつくるひと」(文庫判・150頁)がプレゼントされる。

〈普通版〉菊判・クロス装・上製函入・3216頁・別冊付録424頁・本体9000円。

〈机上版〉B5判・クロス装・上製函入(本文二分冊)・3216頁・別冊付録424頁・本体14000円。ともに完成記念特別価格として〈普通版〉本体8500円、〈机上版〉本体13000円となっている。期間は2018年6月30日まで。

この記事の中でご紹介した本
広辞苑 第七版/岩波書店
広辞苑 第七版
著 者:新村 出
出版社:岩波書店
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年11月10日 新聞掲載(第3214号)
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