田原総一朗の取材ノート「習近平主席の本当の思惑は」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
読書人よ、集まれ!

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは

  1. 読書人トップ
  2. コラム
  3. 田原総一朗の取材ノート
  4. 田原総一朗の取材ノート「習近平主席の本当の思惑は」・・・
田原総一朗の取材ノート
2017年12月5日

習近平主席の本当の思惑は

このエントリーをはてなブックマークに追加
中国の習近平主席の、本当の思惑は奈辺にあるのだろうか。

トランプ大統領がアジア歴訪で、最も気を使ったのは、習近平主席に対して、であった。習主席には、北朝鮮にさらなる圧力をかけることを求めなかった。中国が、北朝鮮に対する決定的な影響力を持っていて、それを敢行することに同意してくれることを願っていたからだ。

そして、トランプ大統領の帰国後、習主席は宋濤・党中央対外連絡部長を特使として、北朝鮮に派遣した。

日本のマスメディアでは、北朝鮮が核・ミサイル開発を六十日間自制すれば、アメリカは直接対話に応じる考えがある、と報じられていて、特使派遣の十一月一七日が、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した九月一五日の六二日目だったので、習主席は、アメリカと北朝鮮の会談の仲介を図っているのではないか、という見方が強まった。

だが、結局宋特使は金正恩書記長に会えないで終った。ということは、宋特使は仲介の役割を果すことが出来なかったのである。

その原因を、専門家たちは、宋特使の地位が低すぎたからだ、と説明した。たしかに、過去二回派遣された特使は、いずれも政治局員であったのに対して、宋濤氏は格下の中央委員である。

それでは、なぜ格下の特使を派遣したのか、との疑問に対しては、政治局員クラスを派遣して、もし金正恩書記長が会わないと、習主席の面目がつぶれる恐れがあるから、だと説明している。

ということは、習主席は、最初から金書記長が会ってくれるという自信を持っていなかったのだろうか。

だが、中国が北朝鮮に送り込んでいる原油のパイプを閉じれば、北朝鮮の国民の生活は成り立たなくなるはずだ。そのことは金書記長自身、よくわかっているはずである。

あるいは、習近平主席は、トランプ大統領に、中国がアメリカの為に探ってやっているという行動は示した、そのことでアメリカの武力行使を先のばしさせた。しかし、北朝鮮の核をどうさせるか、最終決断はしていないということではないのか。

2017年12月1日 新聞掲載(第3217号)
このエントリーをはてなブックマークに追加
田原 総一朗 氏の関連記事
田原総一朗の取材ノートのその他の記事
田原総一朗の取材ノートをもっと見る >
社会・政治 > 国際政治情勢 > 中国関連記事
中国の関連記事をもっと見る >