池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾 / 池上 彰(小学館 )中国、台湾、香港──「三つの中国」がわかる教科書|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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ここを伝えたい!本の編集者より
2017年12月7日

中国、台湾、香港──「三つの中国」がわかる教科書

池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾
著 者:池上 彰
出版社:小学館 
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中国を解説する本はたくさんあるが、台湾や香港まで含めた「三つの中国」という視点で、少し前の歴史から現在までを解説する本はほとんどない。だからこそ、『池上彰の世界の見方』シリーズでは台湾、香港を入れて包括的に解説しようと、池上氏と話し合った。

本シリーズは、池上氏が中高生に向けて実際に授業を行い、それをもとに構成している。今回の授業は、東京都目黒区の桜修館中等教育学校(旧都立大附属高校が中高一貫校に)で行われたが、中国と台湾の戦後史は驚きの連続だったのだろう。教室の後ろで見ていても、生徒たちが池上氏の話しに引き込まれ、聞き入っている様子が感じられた。

特に、生徒たちが驚いたのは、1964(昭和39)年の東京オリンピックを前に配布されたマナー向上を促すパンフレットのコピーだった(本書に掲載)。当時、世界の人に見られても恥ずかしくない国にしよう、と一大クリーン作戦が行われていたことをご存じだろうか。マナー向上のパンフレットは、池上氏からのリクエストで取り寄せたものである。生徒たちは、その写真が日本だと思わなかったようだ。

歩きながらゴミを捨てるのが平気な時代。当時はまだ下水道が発達しておらず、家の前に生活排水を流すどぶがあり、風が吹くと、どぶにゴミがたまる。また、痰を吐き捨てる人がいるので、駅のホームには痰壺が設置された。終点で人が降りた列車の車内は新聞紙や空の弁当箱などのゴミが散乱している。列車内で出たゴミは、全部座席の下に置いていくのが当時の常識だったのだ。

かつて日本も、眉をひそめるようなことをやっていた。そして今は同じようなことを中国人がやっている。中国人だからこうなんだ、という捉え方は間違っていることに気づいてほしい、と池上氏は声を強めた。貧しかった国が急激に豊かになると、どの国でも起こりうる、というのだ。

授業の最後に、生徒代表が池上氏への御礼を述べた。「私は、中国の人は礼儀が悪いという認識があったので、それを改められたのがよかったです。これからは、ものごとを広く浅くではなく、広く深く捉える意識を持って生活していきたいと思います」。
2日間で6時間以上に及ぶ池上氏の渾身の授業を、ぜひ読んでいただければと願う。

この記事の中でご紹介した本
池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾/小学館 
池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾
著 者:池上 彰
出版社:小学館 
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