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漢字点心 第196回
2016年9月2日

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久しぶりにペットボトルのお茶を買って、びっくりした。「爽健美茶」の「茶」の字が、変わっているのだ。草かんむりが「艹」ではなく、「十」を二つ並べた形になっている。調べてみると、今年の五月にリニューアルしたらしい。

この形の草かんむりは、いわゆる「旧字体」の形。もともとは、二本の草の絵から生まれた「艸(ソウ)」という漢字が変化したものだから、二つに分けて書く方が由緒正しいのだ。とはいえ、明治や大正の昔から、草かんむりは「艹」を使う方が一般的になっている、という事情がある。

ペットボトルのお茶の世界では、「生茶」の「茶」が、二つに分かれた草かんむりを使っていた。ところが、こちらは今年の三月にリニューアルされて、ふつうの「艹」に変わっている。旧字体の「茶」が、キリンからコカ・コーラへと移籍したというわけだ。いかなる事情があったのかは知らないが、移籍先での変わらぬ活躍を祈ることとしよう。(
2016年9月2日 新聞掲載(第3155号)
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