谷口ジロー未発表絶筆作品、二冊同時刊行 『光年の森』 『いざなうもの』|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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出版メモ
2017年12月19日

谷口ジロー未発表絶筆作品、二冊同時刊行 『光年の森』 『いざなうもの』

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『遥かな町へ』『孤独のグルメ』『犬を飼う』などで知られる漫画家・谷口ジローは2017年2月に惜しまれつつ世を去った。その谷口氏が残した未発表絶筆が『光年の森』『いざなうもの』の二冊として小学館より刊行された(12月8日発売)。
どちらも亡くなるまでの二年弱の闘病期間に執筆した作品となっている。
光年の森(谷口 ジロー)小学館
光年の森
谷口 ジロー
小学館
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『光年の森』(B5判・本体2800円)は横長画面・オールカラーで谷口氏が描き下ろした未完の未発表長編。森と対話し成長する少年の物語で、風景が持つ感情、自然との調和という谷口氏が生涯をかけて描き続けてきたテーマが凝縮された作品である。本作は5章で完結予定だったが、本書には描きあげた第1章と第2章のネームまでが収録されている。
いざなうもの(谷口 ジロー)小学館
いざなうもの
谷口 ジロー
小学館
  • オンライン書店で買う
『いざなうもの』(A5判・本体1111円)の、表題作「いざなうものその壱花火」は内田百間の連作短編集『冥途』の一編「花火」を原作とした作品。本作は薄墨・ホワイト・鉛筆を用いて描かれ、全30頁のうち20頁の完成原稿と残りの10頁は下書きのまま掲載されている。本書にはこのほか、国内単行本初収録となる近年発表された作品を収録。

巻末は没後に発見された日記の、「たったひとりでもいい。何度も何度も本がボロボロになるまで読まれるマンガを描きたい。あきることなく何度も開いて絵を見たくなるマンガを描きたい。それが私のたったひとつの小さな望み。そんなマンガが私に描けたかどうか疑問はあるが今、頭の中で妄想している物語その世界と絵はなんとなく見えているのだがこれをひとつの形にするのは難しく骨の折れる作業となる。それでも苦痛を乗り越えた楽しさがあるのもまちがいのないことだ」(2016年10月頃)という谷口ジロー氏の文章で締められている。

【関連展示】
★描くひと 谷口ジローの世界
開催中~12月22日(金)まで、日仏会館ギャラリー(東京都渋谷区恵比寿3―9―25)で。火~金12時~19時/土・日11時~18時、月曜閉室、入場無料。

今日の日本漫画の中に、谷口ジロー氏(1947~2017)の作品はきわめてオーソドックスであると同時に特異な存在感を持って立ち現れる。そして、漫画のもうひとつの大きなモメント=バンド・デシネへの強い親和力を持った谷口作品は、日本と同様あるいはそれ以上の読者をフランスおよびヨーロッパ各国で獲得している。本展は、今年2月に世を去った谷口ジロー氏の主要作品の原画を展示して、谷口作品のオリジナルな魅力を探る試み。
この記事の中でご紹介した本
いざなうもの/小学館
いざなうもの
著 者:谷口 ジロー
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
光年の森/小学館
光年の森
著 者:谷口 ジロー
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年12月15日 新聞掲載(第3219号)
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