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60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ
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2018年1月8日
抱腹絶倒の奮闘記!
60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ著 者:青山 南
出版社:岩波書店
本書の著者・青山南氏は、ご存じアメリカ文学の名翻訳家である。そんな著者から「ラジオの語学講座はたいてい春は四月、秋は一〇月だけで挫折を繰り返した」と聞いた時には驚いた! なんという親近感。もちろん英語ではなく、スペイン語講座の話である。
アメリカではすでにヒスパニックが黒人を抜き最大のマイノリティである。当然のようにアメリカ現代小説にはスペイン語が頻出、これは無視できない、となったらしい。しかし日本でいくらラジオを聴いても「オラ(Hola)!」と話しかける相手はいないし、ナマのスペイン語を聴く機会もない、だからやる気も出ない。そこで著者は旅立ったのだった、大好きなケルアックも旅したメキシコへ、いざ!……とはいえ還暦を過ぎた身に、人生初の語学留学は予想以上にこたえる。肩こりに苦しみ、宿題に悩み――それでも「メキシコにすっかり魅了された」「修行中という立場はけっこう快適である」とのこと。手練れの文章で綴られた抱腹絶倒の奮闘記から、新しい経験への興奮がビンビン伝わってくる。
刊行後は即座にネット上で嬉しい反応が幾つもあり、新聞等でも多くの書評をいただいた。著者への熱い講演依頼も相次いでいる。書名に「60歳からの」がなければもっと広く読まれるのでは、とのご意見もあったが、この言葉こそ読者の勇気の源では?と担当者は密かに思っている。読むとやる気が出る、外国に行きたくなる、今からでも、いざ!
(岩波新書編集部)
アメリカではすでにヒスパニックが黒人を抜き最大のマイノリティである。当然のようにアメリカ現代小説にはスペイン語が頻出、これは無視できない、となったらしい。しかし日本でいくらラジオを聴いても「オラ(Hola)!」と話しかける相手はいないし、ナマのスペイン語を聴く機会もない、だからやる気も出ない。そこで著者は旅立ったのだった、大好きなケルアックも旅したメキシコへ、いざ!……とはいえ還暦を過ぎた身に、人生初の語学留学は予想以上にこたえる。肩こりに苦しみ、宿題に悩み――それでも「メキシコにすっかり魅了された」「修行中という立場はけっこう快適である」とのこと。手練れの文章で綴られた抱腹絶倒の奮闘記から、新しい経験への興奮がビンビン伝わってくる。
刊行後は即座にネット上で嬉しい反応が幾つもあり、新聞等でも多くの書評をいただいた。著者への熱い講演依頼も相次いでいる。書名に「60歳からの」がなければもっと広く読まれるのでは、とのご意見もあったが、この言葉こそ読者の勇気の源では?と担当者は密かに思っている。読むとやる気が出る、外国に行きたくなる、今からでも、いざ!
(岩波新書編集部)
この記事の中でご紹介した本
2018年1月5日 新聞掲載(第3221号)

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