健康を担う「日本の食」病気を生む「欧米の食」 / 長谷山 俊郎(農林統計出版)日本の食の基本は玄米ごはん+みそ汁+漬物+梅干しと結論|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2018年1月13日

日本の食の基本は玄米ごはん+みそ汁+漬物+梅干しと結論

健康を担う「日本の食」病気を生む「欧米の食」
著 者:長谷山 俊郎
出版社:農林統計出版
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万人の願いは「達者で長生きしたい」ことだ。達者ということは健康であるということだ。二〇一六年のわが国の平均寿命は男が八〇歳を超え、女は八七歳で世界一とか。明治初期には四〇歳代前半、戦後になってやっと五〇歳に到達したことを考えると、めでたい限りだ。

だが病院には実に多くの患者がいる。高齢になれば、薬を飲まない人はごくわずか。国全体の医療費は毎年確実に増えており、財政を圧迫している。

私はこれまで「人間の身体は食べ物と水から成り立っている。よくない食べ物や水を摂っていれば病気になるのは当たり前だ」と書き、話してきた。

本書の著者も同じ考えだ。もともとは農水省の研究機関で地域農業や地域づくりなどを専門にしてきた。しかし、リタイア後は食や健康をテーマにし、守備範囲がガラリと変わった。

著者によれば、不健康・病気の原因は、私たちが日常摂っている食、特にパンを含む小麦製品、肉類、健康に良いとされてきた牛乳・乳製品などの「洋食」にある。逆に、日本人が昔から摂ってきた米(特に玄米)、植物性食品、発酵食品などが健康を担ってくれる食だ。それらの食は、体の免疫力と浄化力を高め、病気を追い払い、健康体にしてくれる。

このような考えから、本書は題名の通り、洋食の問題を明らかにし、日本の食の見直し・再評価を行ったものだ。

前半では、現代の小麦は品種改良などにより体の臓器や骨、脳に炎症をもたらし、腸の病気、糖尿病、心臓病、高血圧など現代的な病を生んでいるとさまざまなデータを使い、警鐘を鳴らしている。

次に、がんが何故増えているのかに迫る。著者は、がん細胞を増殖させるのは動物たんぱく質即ち肉と牛乳・乳製品だということを、これまでの研究成果を挙げながら実証する。そして、乳がんや前立腺がんも牛乳が促進するとし、「牛乳神話」からの脱却を呼びかけている。糖尿病や認知症も食の摂り方で防げるともいう。

本書の後半は、どうしたら健康になれるか、健康を維持するにはどうすればいいのか、何を食べればいいかに焦点を当てる。

著者はまず、近年の日本人は酸化の環境にさらされて、体の腐敗やサビが進んでいるとし、除菌、殺菌を控える、化学肥料、農薬、添加物が入ったもの、白砂糖、チョコレート、清涼飲料水などを多く摂らないなどの注意が必要だという。

最後に著者は、日本人が選んできた食の意義、米を選び、肉を排除した先人たちの偉大さ、みそ、しょうゆ、酢、みりんなどの発酵食品の重要性について語る。その上で、日本の食の基本は玄米ごはん+みそ汁+漬物+梅干しというシンプルなもの、と結論付けている。

この本は妻が最初に読んだ。「あっ、そうだったのか。知らなかったことがたくさん出ている。目からうろことはこのことだ」というのが彼女の弁。有機農業に関わってきた私にとっても知らなかったことが随分あった。これまで以上に食べるものに気を付けよう。
この記事の中でご紹介した本
健康を担う「日本の食」病気を生む「欧米の食」/農林統計出版
健康を担う「日本の食」病気を生む「欧米の食」
著 者:長谷山 俊郎
出版社:農林統計出版
以下のオンライン書店でご購入できます
2018年1月12日 新聞掲載(第3222号)
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