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2018年2月2日

第33回梓会出版文化賞 贈呈式開催

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1月8日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で第33回梓会出版文化賞、第14回出版梓会新聞社学芸文化賞の贈呈式が行われた。梓会出版文化賞は石風社(福岡県)、同特別賞に無明舎出版(秋田県)、出版梓会新聞社学芸文化賞は左右社(東京都)にそれぞれ贈られた。

福元 満治氏
石風社は医師・中村哲氏のアフガニスタン関連の著作、あごら九州編『あごら 雑誌でつないだフェミニズム』全三巻などが評価された。代表の福元満治氏は自身が編集者になったきっかけは渡辺京二氏(思想史家)と石牟礼道子氏(作家)との出会いによるとし、「大切なものは人間の身体性と人との縁です。今後も情報ではなく人間の思考に関わる本を作り続けていければいいと思っています」。
安倍 甲氏
次に無明舎出版は、即身仏を訪ね歩いた写真紀行『湯殿山系 即身仏の里』(野沢博美著)、希代の博物学者・菅江真澄の足跡を追った『探究の人 菅江真澄』(菊地勇夫著)などの出版を評価。代表取締役の安倍甲氏は秋田県横手市出身のジャーナリスト・むのたけじ氏について触れ「彼のやっていることの偉大さに比べて、秋田ではほとんど誰も知らない人でしたが95歳くらいに急速にメディアに取り上げられました。それは秋田から埼玉に移住したからです。それを秋田から見ていて暗い気持ちになったことを覚えています」とし、「出版を始めて四十数年になりますが、どんどん忘れられるのではないかと恐怖感と闘っている時にこの賞をいただき、覚えてくれている人がいたんだとありがたくホッとしています」と喜びを語った。

小柳 学氏
左右社は『〆切本』『〆切本2』の刊行や「〆切一筆箋」など関連グッズの製作などが評価された。代表取締役の小柳学氏は書家・石川九楊氏が名付け親である社名について「左・右も〈たすける〉という意味があります。両手を重ねると〈友〉という字ができます。友と一緒にいる出版社であるようにと命名していただきました。弊社の特長はスタッフにあります。編集をやりながら営業をし、営業をしながらも本を作ります。本は全員で作り全員で売るのが醍醐味です。これまで読者と著者と色んな方に支えられてきました。支えられている気持ちを忘れずに社会貢献できる本をスタッフと一緒に作っていきたい」と喜びの言葉を述べた。

続いての懇親会では、選考委員の斎藤美奈子氏が芥川賞・直木賞を例に出しながら「文学の世界ではとっくに地方の時代がきています。これからは地方に学ばせてもらわなければならない」と力強く地方出版社を応援する選考の言葉を述べた。
2018年2月2日 新聞掲載(第3225号)
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