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2018年3月16日

とにかく「幸福な本」

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高齢化が社会問題の一つと考えられるようになってから、逆に「老い」をポジティブにとらえ返す視点も増えている。でも『老年&創造』は、ポジティブに捉えようとも、問題視しようともしていない。一読、とにかく「幸福な本」だと思った。痛みや老いや死の話が、「創造」の一事で「生」「エネルギー」となる。何かキラキラしている。年を重ねると知識や常識に凝り固まってしまう可能性もあるが、どの方もまとも過ぎない(あるいは真の意味でまともな)お話が楽しい。インタビュアーである横尾さんが話を向けても「横尾さんはもうご存知でしょう」などと言って答えない(笑)。でもいつの間にか読者は深い深い場所へひきこまれている。平野さんと横尾さんの対話も、ゆらゆらと光ったり陰ったりしながらポンポンと弾むようにどこに行くのかわからない楽しいお話だった。横尾さんの周りではシンクロニシティがよく起こる気がする。むかし、平野さんが瀬戸内さんとテレビ番組のロケで行ったという、中国の天台宗の総本山。それは「寒山拾得」の拾得がいた天台山国清寺だということに、あとで気づいた。 (S)
2018年3月16日 新聞掲載(第3231号)
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