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2018年4月6日

第3回 本のフェス 開催レポート
3月24日(土) 於:神楽坂・日本出版クラブ会館 

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石井 遊佳氏
3月24日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館にて「第3回本のフェス」が開催された。

当日、会場では本にまつわるトークイベントや会場限定の販売会、体験イベント、おはなし会、音楽ライブ、キッチンカーなどが勢揃い。さらに会場外の飲食店でも本のフェスにちなんだトークイベントが行われ、本の街・神楽坂が一体となって本の祭典を盛り上げた。

会場に設けられた販売スペースの一角には本のフェスおなじみの「本の雑誌商店街」ブースを設置。『本の雑誌』執筆陣や古書店、出版社が軒を連ねる。隣接スペースには「出版社・書店による本のフェス限定販売会」も設置された他、別フロアにて「本の産直市」ブースも展開。さらに本のフェス名物の「駅弁本屋」も屋外スペースで行われるなど、来場者に向けて様々な本との出会いを提供した。
会場の様子
体験コーナーでは昨年も実施し好評を博した「『青トレ』実演会」や「辞書引き学習体験」、「美声女ユニットelfin’(エルフィン)おはなし会」を実施。他にも謎解きイベントやストレッチ体験、粘土を使った体験ワークショップ、映画『ワンダー 君は太陽』公開に先立った特別展示やフォトスポットが設けられるなど、子どもも大人も楽しめるイベントが各所で行われた。

トークイベントも本のフェス開催時間の間、随時行われた。その中でも特に注目を集めたのはオープニング直後に行われた作家・辻村深月氏と「尾木ママ」こと教育評論家・尾木直樹氏の対談と本のフェスクライマックスで行われた第158回芥川賞受賞作家・石井遊佳氏のトーク&サイン会。

辻村深月氏と尾木直樹氏によるトークイベントは辻村氏の最新作『青空と逃げる』刊行に際した内容。作品のテーマにもなっている昨今の子どもを取り巻く様々な問題、そして教育のあり方について尾木氏と語り合った。

石井遊佳氏は『百年泥』にて第49回新潮新人賞、第158回芥川賞を同時受賞し作家デビューを果たし、現在もっとも注目の新人作家である。今回がデビュー後、初のトークイベントであり、石井氏の話を聞くために多くの人がつめかけた。

『百年泥』は南インド・チェンナイを舞台にした作品。石井氏本人も現在チェンナイに在住し、日本語教師として活躍している経験を作品に活かしている。トークは作品創作にあたっての秘話と作家になるまでの道のりを語った。インド暮らしの様子は写真を使って解説。作品のモチーフでもある100年に一度の大洪水に見舞われたアダイヤール川の洪水時の写真をスライドに映し物語のイメージを共有。また渡印前に経験した多様な仕事の思い出も振り返り、作家を目指す上でのバックボーンとして息づいていると話す。そして作家になるために諦めずに投稿を繰り返し栄誉を手に入れた今回の経験を踏まえ、これから作家を目指す人たちに向けて「たとえ書き手としての実力があっても、選考に残るには運も必要です。それでも作家を目指すのであれば、夢を本気で持ち、諦めずに続けてください。本気で夢を見れば必ず実現します。なぜなら私が証明だからです、と言いたいですね」とエールを贈り、トークは締めくくられた。

本のフェス当日は好天に恵まれ、約4000人の来場者が足を運び、昨年を上回る入場者に会場は一日を通して盛況を博した。
2018年4月6日 新聞掲載(第3234号)
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