新刊Interview 『朝鮮大学校物語』(KADOKAWA)刊行記念  “タブーにされていい人生なんてない″ 著者 ヤン ヨンヒさんインタビュー |書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2018年4月13日

新刊Interview 『朝鮮大学校物語』(KADOKAWA)刊行記念 
“タブーにされていい人生なんてない″
著者 ヤン ヨンヒさんインタビュー 

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朝鮮大学校物語(ヤンヨンヒ)KADOKAWA
朝鮮大学校物語
ヤンヨンヒ
KADOKAWA
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ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」(二〇〇五)、「愛しきソナ」(二〇〇九)、劇映画「かぞくのくに」(二〇一二)で、日本と北朝鮮に暮らす自らの家族を見つめる映画を撮ってきた映画監督のヤン ヨンヒさんが、三月二二日、小説『朝鮮大学校物語』(KADOKAWA)を上梓した。小説の舞台は、東京に実在するもうひとつの北朝鮮、「朝鮮大学校」。大阪下町育ちの主人公・ミヨン(パク ミヨン)は、「朝鮮大学校」の高い塀の内側と外の世界を行き来しつつ、恋と挫折、祖国や組織への葛藤を四年間の大学生活で経験する。国家と民族、差別と排除、分断と衝突、人と人とを分け隔てるものは何か。自身の体験をもとに書き下ろした初小説について、著者のヤンさんにお話を伺った。 (編集部)
第1回
■もうひとつの“北朝鮮"「朝鮮大学校」の青春

ヤンヨンヒさん映画監督。一九六四年、大阪生まれ。twitter:@yangyonghi
――大学や高校が立ち並ぶ学園都市・小平市、閑静な武蔵野を流れる玉川上水のほとりに建つ「朝鮮大学校」は、在日朝鮮人運動と民族教育発展を目的として、在日本朝鮮人総聯合会(総聯)結成の翌年、一九五六年に創立された大学である。八〇年代、ヤンさんは全寮制のこの大学で四年間の大学生活を送った。本作で「朝鮮大学校」を書こうと思ったのはなぜなのだろうか。
ヤン
 きっかけは、「小説を書く気はありませんか?」と声をかけられたことでした。最初は全然違う恋愛ものを四〇〇〇字くらい書いて見せた。それを読んでもらって話しているときに、自分でも思いがけなかったのですが、実はもう一つ書きたい話がありますと言っていたんです。それは在日の話で、「朝鮮大学校」という学校があって、私はそこの卒業生ですと。舞台は「朝鮮大学校」で大学の四年間を描いて、四年生の第四章は卒業で進路指導だから第三章で北朝鮮への卒業旅行が入り、第二章はラブストーリーで、第一章は状況説明で、隣にある武蔵野美術大学の男の子と恋愛させたいとか、すらすら出てきて。井筒和幸監督の映画「パッチギ」や映画化もされた金城一紀さんの小説『GO』、梁石日さんや柳美里さんの小説などがあるけれど、今まで「朝鮮大学校」に触れているものはなかった。組織的にもアンタッチャブルな感じがあって、映画「かぞくのくに」で描いた帰国事業もアンタッチャブルな感じがあったのですが、私はそのど真ん中で育ったので、アンタッチャブルやタブーが嫌なんです。それは私という存在もタブーにされるのと同じことで、タブーにされていい人生なんてない。ですから、そういうことをオープンにしたいという欲求が昔からあった。いつかこんなことを書けないかなと思っていたんだと思います。
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この記事の中でご紹介した本
朝鮮大学校物語/KADOKAWA
朝鮮大学校物語
著 者:ヤンヨンヒ
出版社:KADOKAWA
以下のオンライン書店でご購入できます
2018年4月13日 新聞掲載(第3235号)
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