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2018年5月2日

読書人ウェブ 4月に読まれた書評ランキング

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1位
一途に駆け抜ける「見えない者」と戸惑いさまよう「見える者」を描く
伴走者(浅生 鴨)講談社
伴走者
浅生 鴨
講談社
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『伴走者』
著 者: 浅生 鴨 


この物語はマラソン編とスキー編にわかれており、いずれも視覚障碍者アスリートの目となって寄り添う伴走者を主人公に語られる。ふたりの主人公はピークを過ぎてはいるが、健常者レースの世界では優秀な選手だった。どちらもやむを得ない事情で不承不承、経験したことのない障碍者競技の伴走を引き受けることとなる。……書評の続きをを読む
2位
知性は死なない 平成の鬱をこえて
『知性は死なない』
著 者: 與那覇 潤


「知性は死なない」――インパクトのあるタイトルである。そして副題には「平成の鬱をこえて」とある。著者は二〇〇七年から二〇一五年まで地方公立大学で教鞭を執り、『帝国の残影』などいくつかの書物を著わしてきた日本近代史研究者である。著者自らが躁うつ病(双極性障害)をわずらい、「いちどは知的能力そのものを完全にうしない、日常会話すら不自由になる体験をした」(14頁)。そこからの回復過程で、「真の知性」……書評の続きをを読む
3位
他に類を見ない哲学と現実の架橋を試みた「新しい実在論」
『なぜ世界は存在しないのか』
著 者: マルクス・ガブリエル


本書は二〇一三年に刊行されるやいなや哲学書としては異例のベストセラーを記録し全世界を驚愕させた、哲学界の新星マルクス・ガブリエル(当時三三歳)の出世作である。本書の内容を一言で言えば、それは現代に巣喰う「無意味」の底をぶちぬいて「意味」へと突破しようとする哲学的思索の努力と要約しうるであろう。……書評の続きをを読む
4位
現代日本の思想誌の最良の命脈を継承
『多様体 第1号:人民/群衆』


月曜社という出版社をご存知だろうか。設立は二〇〇〇年と比較的新しく、社員は二人と小規模だが、アガンベンなどの現代思想、カルチュラル・スタディーズ、森山大道などの写真集も手がける人文書出版社である。現代思想や美術書に興味をもつ読者であればいまや知らない人はいないだろう。そんな独立系出版社がついに社を代表する雑誌を刊行した。『多様体』という名を掲げるその誌面は、……書評の続きをを読む
5位
鬱者が真向かって描いたモノ 死の臭いが感じとられた書
『資本主義リアリズム』
著 者: マーク・フィッシャー 


或る対象への否が即対自的にその対象への諾であるような存在的に完備した支配装置が資本主義には具わっている――あるいはむしろ、それが資本主義である、としたらどうだろう。……書評の続きをを読む
6位
入門書として最適 ルーマン理論の哲学的エッセンスに光を当てる
『ラディカル・ルーマン ――必然性の哲学から偶有性の理論へ』
著 者: ハンス=ジョージ・メラー 


ニクラス・ルーマンほど数多くの入門書が書かれている社会学者は珍しい。日本語で読めるものだけでもクニールとナセヒの『ルーマン』(新泉社)を筆頭に、長岡克行氏の大著『ルーマン』(勁草書房)やボルフの『ニクラス・ルーマン入門』(新泉社)、さらにはバラルディらの手による『ニクラス・ルーマン社会システム理論用語集』(国文社)などがあり、……書評の続きをを読む
7位
二つの「考古学」から「系譜学」へ フーコーの哲学的方法を明らかにする
『ミシェル・フーコー、経験としての哲学 方法と主体の問いをめぐって』
著 者: 阿部 崇


本書はフーコー研究者、阿部崇による最初の単著であり、その主題は、フーコーがその思想を展開するために用いた「方法」を、彼の作品の発表順に沿ってクロノロジカルに明らかにすることにある。キーワードとなるのは、フーコーが採用した二つの思想的方法である「考古学(アルケオロジー)」と「系譜学(ジェネアロジー)」である。ここで重要なのは、阿部がフーコーの諸著作を丁寧にたどりながら、フーコーの思想の中には……書評の続きをを読む
8位
「信」と「知」の密接な結びつき 新時代に突入した日本の中世思想研究
『トマス・アクィナス 理性と神秘』
著 者: 山本 芳久やまもとよしひさ 


〇一七年秋に出村和彦『アウグスティヌス』で本気度を示した岩波新書が、年末に世に贈った極めつけの一冊。講談社選書メチエの『西洋哲学史Ⅱ』のイスラム哲学通史で人の度胆を抜いた山本芳久は、知泉書館から満を持して公にした『トマス・アクィナスにおける人格の存在論』で稲垣良典、リーゼンフーバー、宮本久雄らの学統を継ぐ地位を確立し、慶応義塾大学出版会刊の『トマス・アクィナス 肯定の哲学』の感情論で……書評の続きをを読む
9位
難民政策に揺れるドイツでベストセラー
『憎しみに抗って――不純なものへの賛歌』
著 者: カロリン・エムケカロリンエムケ 


ますます分極化する世界で蔓延する憎しみにどう抗うか、という本です。憎しみという感情に焦点をあてたことで、驚くほど世界の中での共通点がみえてきます。「少しくらい満足しておとなしくなるべきではないか。なにしろ、ここまでいろいろなことが許されているのだから」……書評の続きをを読む
10位
小説が禁止された時、物書きはどのように振る舞い何を書くべきか
『小説禁止令に賛同する』
著 者: いとう せいこう


もし戦争が起こったら。先の大戦のときのように、経済的な圧力を加えられたり、国策に協力しないと作品を発表するのが困難になったり、政府に不都合なことを書くと小林多喜二のように逮捕され拷問を加えられ虐殺されたら。それでも物書きは、自分自身を貫くことができるのか。あるいは、転向してしまうのか?……書評の続きをを読む

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