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漢字点心
2016年10月7日

百百

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「百」を二つ並べて、「二百」という意味を表す漢字。音読みでは、「ヒョク」と読む。

おかげさまで、この「漢字点心」も今回で二〇〇回。そこで「癙」を取り上げてみた次第なのだが、この漢字、紀元一世紀の終わりごろに作られた『説文解字(せつもんかいじ)』という辞書には載っているものの、文章の中できちんと使われた形跡が、ほとんどない。唯一、目立つのは、一九世紀の中国のある蔵書家が、自分の書庫を「百百宋楼(ひょくそうろう)」と命名したこと。宋王朝の時代の貴重な書籍を、たくさん所蔵していたらしい。

その蔵書は、二〇世紀になって日本の財閥、岩崎家に買い上げられ、現在では東京の静嘉堂(せいかどう)文庫に収められている。そんなわけで、日本の大きな百科事典には、「𠮷宋楼」の名が出て来る。日本のコンピュータでこの漢字が表示できるのも、そのためなのだろう。不思議な縁で、我々の元までたどりついた漢字である。

2016年10月7日 新聞掲載(第3159号)
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