田原総一朗の取材ノート「レンホーミクスが打ち出せるか」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

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田原総一朗の取材ノート
2016年10月7日

レンホーミクスが打ち出せるか

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民進党の代表になった蓮舫氏に、テレビでインタビューした。

彼女は、代表選で全体の五九%にあたる五〇三ポイントを獲得して、前原誠司氏や玉木雄一郎氏に大差をつけたのだが、元首相だった野田佳彦氏を幹事長に起用し、野田内閣の主要メンバーを執行部に入れたことで、党内外で批判が多い。そのことを問うと、彼女は、自分が信頼し、また仕事ができると思える人物を選んだのだ、と率直に答えた。彼女はイエス、ノウをはっきり答える。はぐらかしたり、あいまいないい方をしない。そこが彼女がかわれている点だが、今回のインタビューでも、その特徴がはっきり出た。聞いていて気持ちがよかった。

ただし、実際に自民党と戦うとなると、難しい問題が少なからずある。とくに、経済問題が難しい。民主党が下野してから、四回選挙があった。そして四回とも、自民党に敗けた。

民進党を含めて、野党の代表たちは、いずれもアベノミクスの批判をする。だが、国民は単なる批判ではなく、アベノミクスにかわる代案が聞きたいのである。ところが、四回の選挙で、どの野党からも代案らしい代案は出て来なかった。

実は代案を出すのが難しい事情があるのだ。
アメリカでもヨーロッパでも、二大政党の一方は保守で、一方はリベラルである。アメリカでいえば共和党が保守で、民主党がリベラルである。そして保守は、経済競争をどんどんやり、政府は社会のことにあまり介入しない。しかし、これをやっていると貧富の格差が大きくなり、敗者が多くなる。そして選挙をするとリベラルが勝ち、リベラルは格差を縮めるために規制を多くし、敗者を救うために社会保障をどんどん増やす。すると財政が悪化して、選挙をすると保守が勝つ。こうやって交互に政権を担当してバランスを取っているのだが、日本の場合は自民党がほぼ政権を独占していて、保守ではあるが経済政策はリベラルの面があり、だから一〇〇〇兆円以上の借金をしてしまっているのだ。

そして民進党はリベラルだが、多くの部分が自民党と重なってしまうのである。
さて、蓮舫民進党、いかに個性的な、いわばレンホーミクスが打ち出せるか。ここが勝負所である。
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2016年10月7日 新聞掲載(第3159号)
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