俠|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
哲学からサブカルまで。専門家による質の高い書評が読める!

▲トップへ

漢字点心 第204回
2016年11月4日

このエントリーをはてなブックマークに追加
日本シリーズでその雄姿も見納めとなった、カープの黒田投手。大リーグからの高額オファーを蹴って古巣に戻り、二五年ぶりの優勝に導いたその生きざまは、まことに「男気」にあふれていた。

「男気」を表す漢字といえば、「侠(きょう)」。「任侠の世界」「義侠の徒」のように用いられる。国語辞典では「侠気」で「おとこぎ」と読ませるのがふつうだが、漢和辞典の中には、「侠」一文字に「おとこぎ」という訓を付けるものも少なくない。この漢字の右半分の「夾」は、「大=親分」の両脇に「人=子分」が控えている姿だという、本当かどうかは知らないが、なかなかたのしい説もある。

男臭さたっぷりのような「侠」だが、女性に対して使われることもある。おてんばな女性を指す「おきゃん」の「きゃん」は、漢字で書くならば「侠」。「カープ女子」が話題となったことを考え合わせると、「侠」は、今年のカープを象徴する漢字かもしれない。
2016年11月4日 新聞掲載(第3163号)
このエントリーをはてなブックマークに追加