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漢字点心
2016年11月25日

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前々から気になっていたお菓子を買ってみた。ロッテの「紗々」。糸状のチョコレートで織り上げるように作られていて、軽く噛むだけでパリパリッと折れていく、その食感が楽しい。薄い織物を表す漢字「紗」にこだわってネーミングしてあるのも、なるほど、とうなづける。

ただ、気になっていたのは食感ではなく、もちろん「紗々」の読み方である。「紗」には、「袱紗(ふくさ)」「更紗(さらさ)」のような「さ」と、「羅紗(らしゃ)」「寒冷紗(かんれいしゃ)」などの「しゃ」の二つの読み方がある。だから、「紗々」と書けば、ふつうは「ささ」か「しゃしゃ」と読むことになる。それをなんと、ロッテさんは「さしゃ」と読ませているのだ。

「々」を使って前の漢字をくり返した場合、ふつうは、読み方もくり返すものだ。そんな常識を打ち破ってみせたネーミングがおもしろい。このお菓子、今年で発売二一年になる、ロングセラーなのだそうだ。
2016年11月25日 新聞掲載(第3166号)
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