「生きのびる」ということを顧みずに、「生きる」に純化した魂の輝き|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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編集室から
2016年12月2日

「生きのびる」ということを顧みずに、「生きる」に純化した魂の輝き

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特集タイトルは穂村弘『はじめての短歌』を読んで決めた。『東京藝大』の秘境性がまさに<「生きのびる」ということを顧みずに、「生きる」に純化した魂の輝き>ではないかと思ったから。社会性とは別のところに実は、人間が本当に「生きる」ための大事なものがある。二冊に同じ呼吸の深さを感じた。フィクション作家の二宮さんだが、本作の担当者は一作目を見たときから、「この人はノンフィクションもイケるな」と思っていた。呑み屋でべろべろになりながら、藝大生の奥さんの話を聞いたのが、本書生誕のきっかけという。

鼎談には永山さんのアトリエをお借りした。動物の頭蓋骨、剥製、石膏像、生花、マリオネット等々に心地よく乱れた美しい部屋。永山さん曰く「欲しいと思っていると集まってくる」。私は頭蓋骨が欲しいと思ったことがまずない…。この部屋もまた「秘境」なのだった。

週末、上野へ東博の展示を見に行った。初めは木下さんの「灯り」を意識していたが、次第に忘れて展示に見入った。数世紀前の書や肖像画や坐像などが、人々のざわめきと同じ時の中で、生きて呼吸していた。寺社とは違うやや騒がしく穏やかな時間だった。(S)
2016年12月2日 新聞掲載(第3167号)
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