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漢字点心
2016年12月9日

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出版社に勤めていたころ、読者の方から、「けじめ」と読む漢字はありますか? と質問を受けたことがある。そのとき、お答えにしたのが、「差」であった。

「差」とは、「違い」を意味する漢字。一方、「仕事と遊びのけじめをつける」といえば、仕事と遊びの「違い」をはっきりさせること。そこで、「差」を「けじめ」と訓読みしても、間違いではない。実際、そのような訓を挙げている漢和辞典も、存在する。

とはいえ、「けじめ」は、単なる「違い」ではなく、あるべき「違い」、あった方がよい「違い」を指すことが多い。それに対して、「差」は、ない方がよい「違い」をも表す。「格差社会」などは、その代表だろう。グローバル化によって、世界中で「格差」が問題となり、それが、イギリスやアメリカで、予想外の投票行動を生んだのだ。

週明けに発表される「今年の漢字」。ぼくが一人で決めていいのならば、「差」を選ぶかもしれない。
2016年12月9日 新聞掲載(第3168号)
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