第64回 菊池寛賞 授賞式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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受賞
2016年12月16日

第64回 菊池寛賞 授賞式開催

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左から、秋本治氏、大江麻理子氏、一人おいて
池上彰氏、森重昭氏、河村邦比児氏、北方謙三氏

12月2日東京都内で第六十四回菊池寛賞の贈賞式が行われた。

各受賞者の挨拶で、北方版「大水滸伝」シリーズ全五十一巻の完結で受賞した北方謙三氏は「「大水滸伝」を17年かけて書き終わったあとは、荒野ですらないなにもないところに立っているような気がしたが、よく見るとぽつんぽつんと草の根が出ていて、まだ書けるんだと思った時にこの賞をいただけることになった。長くやってきたことに対してご褒美をいただけたので、これからも賞を契機として活かして作家を続けようと思う」と受賞の喜びを語った。

これまでの水俣病やハンセン病に関する調査報道やオウム真理教のルポ、自らも被災しながらの熊本地震についての報道などで受賞した熊本日日新聞を代表して社長の河村邦比児氏は「何より嬉しいのは私どもの長年に渡る編集姿勢を認めていただいたということだ。水俣病、オウム真理教、ハンセン病などを鏡として見ると、私達の社会の様々な素顔が見えてくる。私達の報道はその素顔を明らかにし、ひずみがあれば検証していく作業であったと思う。今回の受賞を機に、渡辺京二さんが私どもの受賞に対して書いてくださった「高い展望と、熱い心を持った知性」を求めながら新聞の使命を果たしていきたい」と述べた。

池上彰氏とテレビ東京選挙特番チームの受賞者挨拶では、代表して池上氏とテレビ東京アナウンサーの大江麻理子氏が壇上に上がり、さながら掛け合い漫才のような軽妙な語り口で受賞の喜びを話して会場を盛り上げた。

四十年間続き今年完結した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の作者の秋本治氏は「主人公の両津勘吉は僕にとっては友達というか40年間一番苦労を分かち合えたキャラクターだが、しばらく休もうということで終わってほっとしていたら、あちこちであの作品は面白かったと褒められたりこのような賞に選んでいただいたりして本人が一番ビックリしている。両さんはいろんなプレゼントを残してくれて、本当にいい作品だったなと最近じわじわ思うようになった」と作品に対する感慨を語った。

独自に原爆投下後の広島・長崎の調査研究で米兵捕虜被爆死を明らかにした森重昭氏は「広島と長崎で亡くなった人は全部で20万人いるが、その中で連合軍の捕虜が20人死んでいる。広島では原爆ドームの前の土手に埋められて、二年後にある住職が掘り出して荼毘に付し、原爆供養塔に昭和三十年まで骨が納められていた。そうしたことをせめて遺族にだけは知らせたいと民間人にすぎない私が41年かけて調査して、20人のうち16人の名前と遺影を登録した。そのことをオバマ大統領に認めていただき、またこのような立派な賞をいただけるとは夢にも思っていなかった。だが私の調査は終わりではなくまだ途中で、やらなければいけないことはたくさんあるが、今日栄えある賞をいただけたことを、亡くなった捕虜を代表して皆さんに御礼申し上げたい」と、時折こみ上げるものに声をつまらせながら挨拶した。

なおリオ五輪で金メダルを獲得したバドミントンの髙橋礼華・松友美佐紀ペアは、大会出場のため欠席しビデオでメッセージを寄せた。
2016年12月16日 新聞掲載(第3169号)
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