永六輔の伝言 / 矢崎 泰久(集英社)盟友と二人三脚で書き上げた最後のメッセージ 矢崎泰久編『永六輔の伝言』|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年1月6日

盟友と二人三脚で書き上げた最後のメッセージ
矢崎泰久編『永六輔の伝言』

永六輔の伝言
出版社:集英社
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永六輔の伝言(矢崎 泰久)集英社
永六輔の伝言
矢崎 泰久
集英社
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二〇一六年七月七日、永六輔さんが逝った。戦後放送文化のトップランナーとして数々の名番組、名歌、名著を遺した、今風に言えば“天才クリエーター”だった。それでも現状に甘んずることなく、次々と新しい時代の価値を生み出していった彼の目線は、いつも日々の暮らしを懸命に生きる庶民と共にあった。

一貫して反骨の人でもあった。六〇年安保の頃には、国会前のデモに毎日のように参加した。仕事とデモならデモを選んだ。当時、東大生だった樺美知子さんが機動隊との衝突で亡くなった時には、鎮魂の祈りと、それでも僕らは生きるという決意を『上を向いて歩こう』という歌に託した。本書は、そんな永さんが生涯で出会い、学び、見送ってきた人たちとの熱い交わりの記録だ。彼らは、自由と平和を願う、反骨の同志でもあった。

本書の編者である元「話の特集」編集長の矢崎泰久さんも同じく反骨の同志であり、50年来の盟友だ。だから執筆途上で病に倒れた永さんに成り代わり、矢崎さんが本を完成させた。「編」というのはそういうことだ。同じ一九三三(昭和八)年に生まれ、多くの思い出を共有する名コンビの最後の仕事となった。

今、日本は大きな転換点にある。権力に迎合しなかった永さんと友人たちの反骨の物語は、先行き不透明な時代を生きる我々に知恵と勇気をくれる。

永六輔は星になった。『見上げてごらん夜の星を』と笑いながら、遺してきた我々を空の上から励まし、見守ってくれている。そんな風に思える一冊である。

 (集英社新書編集部)

この記事の中でご紹介した本
永六輔の伝言/集英社
永六輔の伝言
著 者:矢崎 泰久
出版社:集英社
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年1月6日 新聞掲載(第3171号)
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