鈴木健二著『青春の彩り あゝ懐旧の花散りて』がサイゾーから刊行|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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出版メモ
2012年12月2日

鈴木健二著『青春の彩り あゝ懐旧の花散りて』がサイゾーから刊行

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本書は元NHKの名物アナウンサーで著書『気配りのすすめ』で一世を風靡した鈴木健二氏が書いた生涯初となる書き下ろし小説であり、太平洋戦争末期の弘前を舞台に17歳の青年の青春の1ページを描いた作品である。

東京大空襲から生き延びた主人公・如月聖太は学業を続けるため家族と離れ単身青森県の陸奥旧制弘前高校に進学する。物語は生粋の江戸っ子である聖太が見た弘前の地、空襲を受けた東京とは別天地の世界を描写するところから始まる。聖太の周りはみな東北や北海道の人間に囲まれる中、聖太は空襲に見舞われた経験から戦争と戦争を続ける国に対して激しい悲しみと怒りを嗚咽混じりに吐露し、結果周囲の学生たちから認められる。

物語は終戦を迎えるまでの4ヶ月間というごく短い時間が綴られているが、北の地でかけがえのない出会いを重ねた17歳の青年が過ごした時間は濃密である。弘前の地で初めに出会った美しい女性に対する淡い気持ち、無二の親友との出会い、聖太同様空襲から生き延びた幼馴染の女の子との文通、両親への思いなどが陸奥を舞台に駆け巡る。
サイゾー
2012年12月2日 新聞掲載(第3167号)
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