第69回 野間文芸賞  第38回 野間文芸新人賞  第54回 野間児童文芸賞|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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受賞
2017年1月13日

第69回 野間文芸賞 
第38回 野間文芸新人賞 
第54回 野間児童文芸賞

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2016年12月16日、東京都内で第69回野間文芸賞、第38回野間文芸新人賞、第54回野間児童文芸賞の贈呈式が行われ、野間賞の堀江敏幸氏(『その姿の消し方』新潮社)、同新人賞の戌井昭人氏(『のろい男 俳優・亀岡拓次』文藝春秋)、児童文芸賞の柏葉幸子氏(『岬のマヨイガ』講談社)の三氏に賞が贈られた。

その姿の消し方(堀江 敏幸)新潮社
その姿の消し方
堀江 敏幸
新潮社
  • オンライン書店で買う
受賞者挨拶で堀江氏は「最初読み切りのつもりで書いたものが、時間を経て少しずつ細い紐で繋がっていった作品ですが、その間に震災が挟まり、その前後の自分を取り巻く空気などが虚構の中の主人公が生きている時代とだんだんリンクして、今の空気を伝えるかたちになってきたのではないかと、今振り返るとそういう気がしています。書き終えた二〇一四年の終わりぐらいだったと思いますが、その頃にユルスナールという作家の未完の遺作を翻訳していました。一九〇三年生まれの少女が第一次世界大戦の時代を経て、一九三〇年代のヨーロッパの様子などを描く作品を後追いしていて、それが偶然自分の世界と接続されてしまいました。同時に紀貫之の『土佐日記』を追っていたのですが、それらがこの作品の主人公と良い形で混じり合い、よそから言葉をもらってそれを集めて自分の中の空白を埋めているだけなのではないかという気がしていました。それは今も変わっていません。したがって誰にお礼を申していいのかよく分かりませんが、これまで色んな言葉を残してくれた作家たち詩人たちすべてにありがとうという気持ちを持っております」と話した。

戌井氏は「以前友達に、お前はなんで三位とか二位ばかりを目指すんだと言われて、それが格好いいと思っていたところもあったので、俺は二位のほうがいいと言ったのですが、それからずっと呪われているような気持ちになっていたところがあるので、今回はそれがちょっと解消されたような気がします。でも自分はやっぱり横道ばかり歩いていて、自分も含めていろんなろくでなしやちゃらんぽらんな人と出会ったことでこの作品が出来上がったということがあります。今まで出会ってきた人も含めて本当にどうもありがとうございます」と挨拶した。

右から堀江敏幸氏、戌井昭人氏、柏葉幸子氏

岬のマヨイガ(柏葉幸子)講談社
岬のマヨイガ
柏葉幸子
講談社
  • オンライン書店で買う
柏葉氏は「今回の作品では故郷の岩手からとてもたくさんのものをもらって書きましたので故郷にも感謝しております。講談社の新人賞でデビューさせていただいて四十周年の作品で賞をいただきました。そんなに年月が経ったのかと思うほど四十年の重みが実感として私にはなくて、デビュー当時と変わらず「ああ面白かった」と言っていただける本を書いていきたいという思いはそのままずっと持っております。今回の作品も皆さんに愛されて「ああ面白かった」と言っていただける本にだんだんなって行くのかなと思っております」と語った。









この記事の中でご紹介した本
その姿の消し方/新潮社
その姿の消し方
著 者:堀江 敏幸
出版社:新潮社
以下のオンライン書店でご購入できます
のろい男 俳優・亀岡拓次/文藝春秋
のろい男 俳優・亀岡拓次
著 者:戌井 昭人
出版社:文藝春秋
以下のオンライン書店でご購入できます
岬のマヨイガ/講談社
岬のマヨイガ
著 者:柏葉幸子
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年1月13日 新聞掲載(第3172号)
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