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漢字点心 第213回
2017年1月20日

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音読みでは「レキ」と読む漢字。「石へん」が付いているように「小さな石」を表すので、訓読みでは「こいし」とか「つぶて」と読む。「瓦礫(がれき)」とは、建物が崩れた後に残る、瓦や石のかけら。東京都文京区の地名「小石川」を、江戸の文人たちはしゃれて「礫川(れきせん)」と表現したものだ。

という具合に、この漢字はぼくの中では確固としたイメージができていたのだが、先日、それがぐらつく体験をした。「巨礫(きょれき)」ということばに出会ったのだ。「巨大な小石」とは、これいかに!?

「巨礫」とは、岩石学の用語で、岩石の破片のうち、直径が二五六ミリ以上のものを指すらしい。三〇センチ近くもあるとなれば、けっこうでかい。それを「礫」という漢字で表すなんて!

岩石学では、以下、大きい順に「大礫」「中礫」「細礫」と呼ぶそうな。たしかに、どれくらいより小さければ「小石」なのかは、人によって異なるのだろうけれど……。(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
2017年1月20日 新聞掲載(第3173号)
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