田原総一朗の取材ノート「「米国第一」と保護主義」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2017年2月3日

「米国第一」と保護主義

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ドナルド・トランプ大統領は、選挙中から「米国第一」、つまりアメリカ・ファーストを力説していた。

グローバリズムとは、ヒト、モノ、カネが国境を越えて、世界市場で活動することだが、そのために、ラスト・ベルト地域、かつて数多くの工場があった地域から、多くの工場がメキシコなどの海外に出ていって、夥しいアメリカ人たちが職を失ってしまった。

そこでトランプ大統領が力説する米国第一とは、海外へ出ていった工場をアメリカに戻らせること、工場を海外につくらせないことで、つまりは徹底した保護主義である。

ラスト・ベルト地域で、トランプ氏が保護主義を力説するのはよくわかる。

第二次産業の製造部門にとっては、たしかに保護主義こそが、米国第一なのである。

だが、アメリカが世界に誇る金融業にとっては、グローバリズムこそが世界を舞台に活躍できる構造であり、げんに繁栄している。

いってみれば、金融業にとっては、グローバリズムこそが、米国第一であり、本当に保護主義に転じれば、やっていけなくなってしまう。

まだ、ある。たとえば、グーグル、アップル、アマゾンなど、ここへ来て世界を席巻しているソフト産業にとって、保護主義とは、まさに自殺行為である。

トランプ大統領は、メキシコ、中国、日本などを対象にして米国第一として保護主義を打ち出しているのだが、実は問題はアメリカ内部にあって、業種によって米国第一のあり方が全く異なっているのである。

それに、トランプ大統領は、日本からアメリカに大量の自動車を輸出しているのに対して、アメリカから日本に輸出しようとすると、日本は輸入の壁が高い、と強く批判しているが、日本から乗用車をアメリカに輸出する場合には関税がかかるが、日本に輸入する場合には関税はない。ともかく、トランプ大統領の主張は荒っぽくて、矛盾が多いのである。

2017年2月3日 新聞掲載(第3175号)
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