連続討議「文系学部解体―大学の未来3」なぜ誰も声を上げないのか/なぜ伝わらないのか?(7) 大学を変える方法 社会への伝え方|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

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文系学部解体-大学の未来
2017年2月24日

連続討議「文系学部解体―大学の未来3」なぜ誰も声を上げないのか/なぜ伝わらないのか?(7)
大学を変える方法 社会への伝え方

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ハヤシザキ
うちの大学は、室井さんが今言われたようなことが極端な形で起こっていますからね。かなり酷い状況です。それが全国でも起こっている、あるいは起こりつつあるというご指摘も、その通りだと思います。福教大の研究科長の任命拒否の件は法律が変わる前の出来事で、規約も変わっていなかった。だから法律の通りではなかったんです。ただ、かりに法律で決まったことだからと言っても、法律自体のおかしさを、説明していけばいいと思うんですよ。そこで声を上げていかないといけない。たとえば学長の責任を明確にしろというのはいいんですよ。だけど、福教大のように、カネがなくて教育の質がさがり、受験生が減って入学検定料だけで一千万の減収とか、経営に明らかに失敗している場合、責任をとっているのか、ということです。失敗していてもやめないんです。国立大学の経営には、株主総会もなければ選挙もない。いまは責任を取らせるシステムがないわけです。ですので、責任の明確化というより、ただの無責任体制と言っていいとおもいます。この問題のプレゼンスをあげるには、我々大学教員が声を出していかねばいけない。私自身、大学内で声を出しています。組合も頑張っている。ひとつ僕がアイデアとして考えていることは、全国の国立大学で同時ストライキを打つのはどうかということです。
室井
それは、僕は嫌だな。授業が好きだから。
ハヤシザキ
そういう人もいるでしょうけど、授業のない時間に時限ストやるとか、いろんな方法があると思うんです。僕が考えているのは、センター試験の前日とか前々日からストライキをはじめる。そうするとプレゼンスもあがる。個別にやっていくのは大事だし、勇気がいることだと思いますが、全国規模でやることも考えていった方がいい。
室井
おもしろいけれど、あまり現実的ではないですよね。三浦君は、ハヤシザキさんの意見に対して、どう思いますか?
三浦
いきなりみんなでストライキしようというのは、ちょっとリアリティがないんじゃないかなと思いますね。たとえば学生たちは、大学を変えようというときに、もっと身近なことを考えているんじゃないでしょうか。新潟大学の学生だったら、音楽の専門家だから音楽を守ることを考えている。そういうリアリティで動いているんですよね。そこからはじめないと、現場の学生の気持ちをちゃんと繋いでいけない。ひとりひとりの学生が、大学で何か具体的にやりたいことを考えて、バラバラでもいいから行動を起こしていく。結果としてそういう方が、大学がおもしろい場所になっていくと思いますね。
室井
少し抽象的でよくわからないんだけど、君たちが全国の大学の学生と知り合い、そこで大学への思いを語り合うことができたのは、意義あることだと思う。でも、それを社会にどうやって伝えていけるんだろうか。
三浦
社会に伝えるという時に、抗議やデモという方法もひとつあると思います。そうではない形もある。新潟大の場合、彼らは大学の外でも、コンサート活動をやっているんですね。そういった活動が大学の成果としてきちんと認められるようになれば、人文系の学部の持つ意義も、社会に伝わっていくと思うんですね。そして僕たちが彼らの存在を知り、訪ねていく。そういう繋がりを作っていく方が、大学が機能していることの証しになると思います。 (つづく)
2017年2月24日 新聞掲載(第3178号)
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